平成29年9月号



まはら三桃/著 講談社

 毎日の宿題として、おじいちゃんが通っているデイサービスについての日記を提出していた野沢佑は、先生からデイサービスに関するレポートを提出するように言われます。初めは乗り気ではなかった佑でしたが、親友の一平と共に頻繁に施設へ出入りするようになり、入所者と触れ合うにつれて命や生き方について考えるようになっていきます。
 しばらく経ったある時、施設の中に「開かずの間」があることに気づいた佑らは、そこが一体何の部屋なのかを探ろうとするのですが…。



村上しいこ/作 小学館

 悠斗のじいちゃんは認知症。ある日、徘徊していたところを交通事故に遭い、意識不明の重体になってしまいます。そんな時、交通事故の加害者から損害賠償請求の通知が来たのです。
「被害に遭ったのはじいちゃんなのに、なぜ?」と納得できない悠斗は、自らの力で不当な請求を覆そうと奔走しますが、そこには大人のウソが隠されていたのです。



三浦準司/著 理論社

 わたしたちの周りには、情報が溢れています。情報化社会が進む現在、情報の本質を見分ける力「メディアリテラシー」が欠かせないのです。感情に流されず「本物の情報」を判断するにはどうすれば良いのでしょうか?
 みなさんの中にもツイッターなどのSNSを利用している人も多いのではないですか?しかし、その情報にも危険が潜んでいるかもしれません…。



岩井雪乃/著 合同出版

 野生動物を守ることは大切です。しかし、一方ではその影響を受けて人間の生活が脅かされていることをみなさんはご存知ですか?
 アフリカなどの野生動物が多く生息する地域には「国立公園」や「動物保護区」などが多く存在します。それは、かつて人間が生活を営んでいた地域にまで広がっており、生まれ育った場所を追い出される人々が後を絶たないのです。
 動物とわたしたちが共存するためにはどうすれば良いのでしょうか。



井伏鱒二/著 新潮社

 今年で戦後72年を迎えました。
 私たちが住む日本は世界で唯一の被爆国です。日本に住む者として決して忘れてはならない歴史があります。
 作品の舞台は広島。あの8月6日を迎えます。原子爆弾が投下され荒廃した街を、矢須子は家族を探して雨の中を歩き回ります。しかしその雨は「黒い雨」といって、放射能が含まれた雨だったのです…。
 わたしたち自身の未来のために、多くの犠牲を生んだ戦争について今もう一度考えてみませんか?