平成29年11月号



戸森しるこ/著 講談社

 結城瞳は理科の教師・人見のことが気になり、いつも見つめていました。恋のような憧れのような不思議な気持ち。女子生徒が女性教師のことを気にするのはおかしい?と感じながらも、捉えどころのない人見に惹かれていました。そんなある時、人見を見つめているもう一人の生徒に気がつきます。彼はクラスでも目立たない男子・正木真紗樹。3人は放課後に理科準備室へ集まって話すようになり、次第に仲を深めていきます。



キンバリー・ブルベイカー・ブラッドリー/著 大作道子/訳 評論社

 舞台は第二次世界大戦中のロンドン。主人公・エイダは体が悪く、そのせいで母親に虐待を受けていました。自由に生きる弟とは対照的に、息苦しい日々を送るエイダ。外の世界へ出ることに強い憧れを持っていた彼女は、母親に隠れて歩く練習を始めます。そんな時、町に住む子どもたちに疎開の話がきました。母の目を盗んで疎開に成功したエイダでしたが、その先には様々な困難が待ち受けていました。



令丈ヒロ子/著 PHP研究所

 小さいころから変わり者と言われてきた穂木は「普通」に憧れ、お嬢様で何でも手に入れてきた陽菜は「個性」に憧れを持っていました。幼い頃を共に過ごした二人は、穂木が転校してきたことにより中学校で再会します。憧れの結果、イメチェンに成功した二人は互いの変化に驚きながらも、次第に仲を深めていきますが、学校で「普通」「個性」を大切にするのは難しくて…。
『なりたい二人』の姉妹編です。



澤井悦郎/著 岩波書店

 不思議な生き物「マンボウ」。皆さんは彼らの生態をどれだけ知っていますか?マンボウには数多くの噂があります。「3億個の卵から大人になれるのはたったの2匹?」「マンボウの肉は一晩おくと消える?」など実に不思議な噂の数々。この本ではその真相を解き明かしていきます。また、マンボウの体の仕組みから、おいしい調理法まで、この一冊を読めばマンボウ博士になれること間違いなし!?
 魚に興味が無い人でも楽しく読み進めることができますよ。



ニッキー・ロフティン/著 代田亜香子/訳 作品社

 ピーターは学校でいじめられ、家族にも理解されず孤独な日々を送っています。明け方に家を出て、人の声もテレビの音も聞こえない、家も飛行機も見えない「谷」で自分一人の時間を過ごすことが唯一の癒しとなっていました。
いつものように「谷」へ向かうと、池の向こう側に赤い髪の少女を見つけます。「せっかく一人の場所を見つけたのに」と怒りをあらわにするピーターに対し、少女は気にするそぶりも見せず、スケッチブックに筆を走らせていました。
 次第に意気投合し、共に過ごすようになる二人でしたが、少女はある秘密を抱えていたのでした。