平成30年2月号



アンドリュー・クレメンツ/著 田中 奈津子/訳 講談社

 何よりも読書が好きな少年・アレックは、先生から「読書のしすぎ」で怒られるほどでした。入りたい放課後クラブが無いアレックは、自分で読書クラブを作ろうと思い立ちます。誰にも邪魔されずに本を読むにはどうすれば良いか考えたアレックは、みんなが入りたくないようなクラブ名をつけようと「負け組クラブ」という変な名前をつけますが、予想に反し次々と増えていく部員。しかし、仲間が増えるにつれ、読書ばかりだったアレックの人生は少しずつ変化していき…。



フランシス・ハーディング/著 児玉敦子/訳 東京創元社

 「翼ある人類の化石の発見」という世紀の大発見をねつ造と疑われ、スキャンダルから逃れるために博物学者は島へ移住しました。しかし、数日後、彼は謎の死を遂げます。噓を養分に育ち、食べた者に真実を見せる実のなる木、通称「嘘の木」を利用して、彼の娘は父親の死の真相に近づいていきますが…。



古沢広祐/著 平凡社

 わたしたちの生活に欠かすことのできない「食」。食事を摂ることが当たり前になりすぎて、改めて考えることも少ないのではないでしょうか。世界を見ると、豊かな国では食べ物の3割が捨てられている一方、8億人の人々が飢えに苦しんでいるそうです。エネルギーとなってわたしたちを支えてくれる食べ物。命をいただくありがたみや、今後日本でも起こりうる食糧危機など、幅広い視点から解説されています。「いただきます」という言葉の大切さを感じる事の出来る一冊です。



高森美由紀/作 フレーベル館

 伊藤砂羽は、クラスで困ったことや人手が足りないときに助ける「助っ人マスター」という係をしています。クラスメイトや先生からの頼みごとを聞き、厄介ごとを引き受けることも多くありました。長距離大会に参加する人がいないので、助っ人として出場することになった砂羽でしたが、クラスでも最後から2番目になるほど長距離が苦手。さらに長距離クラス最下位の良平も出場することになり、2人は練習を始めます。無事に大会を終えることはできるのか、砂羽が頼みごとを断れなくなったのはなぜなのか…。悩みながら成長していく少女の物語です。



今野真二/著 河出書房新社

 語彙(ごい)とは「何らかの観点から集めた語の集合」です。といってもわかりにくいですね。例えばキノコを表す言葉にもマツタケやシイタケ、エノキ、シメジなどたくさんの分類があります。これが語彙です。日本語は表現が豊かな言葉とされており、オノマトペという擬音語・擬態語も多くあります。それらを使いこなすのが語彙力です。これを身に付けることで自分を表現する言葉が増え、より豊かな生活につながります。みなさんも表現力を身に付けて、これからの生活に役立ててみませんか?