平成28年8月号



いとう みく/作 童心社

 学校へは行かない。一弥がそう決めて自室にこもり、もうすぐ三カ月になる。今、母親は担任との面談のために仕事を早退し、一階で学校へ出かける支度をしている。そんな時だった。カタカタガタガタゴオオオ、地震!!バリッ!ゴオオオン家が崩れ、一弥が気づいた時には、二階に押しつぶされ一階がなくなっていた。
東日本大震災から20年後、東京湾を震源とする大地震が発生。東京23区で震度7を観測、湾岸エリアを中心に津波、火災、地割れ、液状化現象、建物の倒壊と被害が広がり、人々の暮らしの中に悲劇が繰り返される。近未来小説。



角川書店

俳句は世界で一番短い詩と言われ、日本のみならず世界中に俳句愛好家がいるそうです。
毎年開催されている全国高校生俳句大会では今回7691通の応募があり、受賞作品がこの本に掲載されています。
「大くしゃみして相槌を打ち直す」
「フクシマに柿干す祖母をまた黙認」



魚住 直子/著 ポプラ社

 今井莉子、中学2年、太ってて赤いふちのメガネをかけてる。勉強はできるがおとなしくて友だちはいない。
高倉かりん、中学2年、細くて背も高くて、かわいい。明るく元気なのがとりえ。
そんなふたりが、入れ替わってしまった!?



宇佐美 敬子/作 学研

 10歳の少女りんは物心ついた頃から影なし山が大好きで、毎日のように一人で木々の間を走り回り、けものと遊んだり、木の実や薬草を採ったりしていました。最近では何日も帰らずに、山で過ごすこともありました。りんは山のことはなんでも知っていて、自分の家のように思っていました。ところが実は10年前、りんの母親は山にある「ばけもの沼」にのまれてしまったのです。それ以来、村人たちは誰も影なし山に近づこうとはしませんでした。そのことを初めて聞かされたりんは、「ばけもの沼」にいく決心をします。そこで聞こえてきたのはまだ見ぬ母親の声でした。



横山 カズ/著 岩波書店

著者は小学生の時、あるテレビ番組で同時通訳者を見て、全身に衝撃が走り「これはスゴイ!自分もこうなりたい。」と強く思いました。ところが周りの大人からは、「海外に住まないと英語はマスターできない」と言われ、すっかりやる気をなくし、中学高校と英語の成績はあまりよくありませんでした。
それでも、「国内にいながらにして、英語ができるようになる方法を見つけ出したい」と思い続け、いろいろな方法を試し、国内で英語をマスターした人たちを観察し、「音読」の大切さに行きつきます。この本では例文を使って、著者の秘伝を具体的に教えてくれています。