平成28年12月号



河合 二湖/著 小学館

 金魚の養殖池がある町が舞台。小5でこの町に引っ越してきた蓮実は、初めての放課後にクラスメートに連れられて養魚場を訪れ、その風景に圧倒された。この町の5年生は教室で金魚の卵をふ化させ、それぞれが自分の飼育箱で稚魚から育てる。上手に育てる子もいれば、次々と死なせてしまう子もいる。蓮実は上手く育て、中2になった今、様々な種類も増やし全部で11匹の金魚を飼っている。そんな折、父親の転勤でアメリカのボストンに行くことになった。4年間仲よくしてきた友だちと別れなければならない、そして大切な金魚はどうしよう。



海野 和男/著 河出書房新社

 外に出て、しゃがんでじっと目をこらしてみると、小さな虫に気づきます。アリが蛾の死骸を運んでいたり、チョウが飛んでいたり、名前の分からない虫もいるでしょう。昆虫の種類はおよそ1,000万種類、毎年3,000種もの新種が見つかっています。
身近だけれどあまり知らない昆虫の驚くべき生き方を教えてくれます。



片川 優子/作 岩崎書店

 小さい頃からいつも一緒だったおさななじみの3人が、中学生になりそれぞれの場所で自分の居場所を作っていく物語。
りこは私立の女子中に入り、女子だけの世界に戸惑う。りこに頼りっぱなしだったおとなしいあかりは新たな友だち関係に悩む。少年サッカーでエースだった一樹は、サッカー部で活躍できず、イラつく日々。疎遠になってしまった幼なじみはお互いの悩みを分かち合えるのか。



石川 宏千花/[著] 講談社

猫を13匹殺して、その首を村田ビルディングの屋上から投げ落としたあと、自らもダイブすれば、異世界に行くことができる…。そんな「猫殺し13きっぷ」のうわさが出回っていた。誰もがただの都市伝説と思っていたのに、猫殺しの事件が起きた。誰かが「猫殺し13きっぷ」を決行しようとしている。その人物を突き止めた6年1組の男女6人は、飛び降りようとする人物を引き留めようとして、共に異世界へと落ちて行った…。



あさの あつこ/[著] 講談社

ラタは餓死寸前のところを大将軍に拾われ、娘ながら武人としての修練を受けた。幾多の戦いを重ねその容赦ない戦いぶりで、16の歳には周囲に名を響き渡らせるほどの勇者に成長した。
一方、2×××年、ニッポン。15歳の誕生日の前日に由宇の大好きな父親が急死した。「X、0、1…ラタ…」という言葉を残して。
違う時代、違う場所に暮らすラタと由宇がどう関わっていくのか。