平成27年10月号



R.J.パラシオ/作 ほるぷ出版

 ぼくは自分が普通じゃないことはわかっている。心の中はたぶん普通。でも、みんなはぼくを見ると悲鳴をあげて逃げたり、じろじろ見たり、じっと見てさっと目をそらしたりする。誰もがぼくの外見を普通じゃないと思っている。
10歳になって初めて学校に行くことになったんだけど、ぼくを見るとみんなひそひそ話をはじめる。ところがある日、一人でお昼を食べていると、「この席あいてる?」と女の子がやってきた。サマーっていう名前がぴったりの、日に焼けて、おしゃべりで、元気な子。ぼくたちは意気投合していろんな話をしたんだ。



小野 不由美/著 講談社

 高校生の弘志がひとり暮らしをはじめたのは、ハイツ・グリーンホーム、幽霊アパートと呼ばれている。白紙の手紙、無言電話、猫の死体、不気味な落書きをする少年、イヤなことが続くうちに、弘志は幼い頃亡くなった友だちのことを思い出していく。あの子は何で死んだんだっけ…。
ホラー小説です。



奥泉 光/著 河出書房新社

 「小説の面白さというのは、自分で作るものだ。」と著者は言います。漱石大好きな自分も、はじめはあんまり面白くなかったそうです。
本当に面白いものを楽しむには、労力が必要です。スポーツだって、練習して上手くなって、はじめて面白さがわかる。
この本で読書の練習のコツを学び、名作を心から楽んで読んでください。



フランシス・ホジソン・バーネット 新潮社

 セーラ・クルーは、大富豪でやさしい父親と離れて寄宿制の女学校で学んでいました。セーラの11歳の誕生日、全校をあげて盛大なパーティーの最中に弁護士がやってきて、父親が親友に騙されて破産し、そのショックもあって熱病で亡くなったとを知らせます。
その時から、セーラの待遇はがらっと変わり、めし使いとしてこき使われるようになります。
貧乏な少年が一躍貴族の子になる『小公子』と同じバーネットの作品です。



ヒュー・ロフティング/作 岩波書店

 博物学者にして、言語学者であり、獣医でもあるドリトル先生は、あらゆる動物、鳥類、魚類の言葉がわかります。そして今先生は、貝の言葉を研究しています。水の中に頭をつっこんでいないといけないのでとても難しい研究なのです。
ある日先生は、助手の少年トミーと黒人の大学生バンポとオウムのポリネシアとサルのチーチーを連れて、クモサル島に探検に出発しました。クモサル島は漂流島ではっきりとした位置がわかりません。旅は命がけの大冒険になります。