平成27年11月号



小林 深雪 他/著 講談社

 幼稚園から一緒だった夏葉が、中2になって変わった。どんどん明るく社交的になってクラスの委員長に当選し、校内でも目立つ存在になった。そして、私は…ひとりぼっちになった。
クラスでもう一人、いつも独りの柊子さん。美人で大人っぽくて、高校生の彼氏がいると噂されている。退屈でつまんない私と、みんなのあこがれの柊子さん、私たちはひょんなことから二人だけの秘密を持った。
秘密を大切に持っている中学生の話が、5つ入った本です。



外岡 秀俊/著 河出書房新社

 SNSの普及で、だれもが、いつでも、どこでも情報を発信する事ができ、世界中に広げることができる時代です。ところが、学校では発信の手法についての授業はありません。伝えるために必要な技術を教えてくれる本です。



黒野 伸一/著 理論社

 55歳の著者が、少年時代を書いた小説です。
シンイチは中一の時に、フランス人と親しくなりました。部活の事、クラスのいじめや不良たちのことなど悩みを話すと、いつも日本人には思いつかないアドバイスをくれました。
「日本人は、みんなと同じことをやりたがる。自分の意見は、はっきり言った方がいいんじゃないかな。」そういわれて、シンイチはある行動を起こしました。



ジュール・ルナール/著 新潮社

 お母さんはお兄ちゃんとお姉ちゃんには優しいけれど、僕のことは嫌っている。だから僕だってお母さんが嫌いだ。赤毛だからって「にんじん」というあだ名をつけたのはお母さん。
「あなたはメロンが嫌いね。」と言ってぼくにだけくれない。皮を捨てに行かされて、こっそり飲んだ汁は甘くておいしかった。
お母さんが僕に微笑んだから、笑い返したら、思い出し笑いをしているだけだった…。
母親の虐待に耐えていた少年が、自らの生き方を決めていく様子が描かれています。



エラリー・クイーン/著 KADOKAWA

 ある家で男が殺された。身元を確認するために、妻と名乗る女が2人駆けつけた。男はその家を拠点に、2つの町で10年間にわたって、違う名前、全く別の人格で二重生活を送っていたのだ。一方は、宝石のセールスマンでつつましい生活、もう一方は、大富豪の婿で何不自由ない暮らし。いったいどちらの人間として殺されたのか。
エラリー・クイーンの「国名シリーズプラスワン」の最後である第10巻。80年前の推理小説を新訳で楽しんでください。