平成30年度7月号



三國 青葉/著 小学館

 霊を説得して成仏させる一色家に初めて誕生した男の子・恭夜。霊を斬って成仏させる望月家に初めて誕生した女の子・冴子。中学校入学式の朝に出会ったふたりは、お互いの親の再婚でいきなりきょうだいになってしまいます。すぐに霊に憑りつかれてしまう恭夜は、自分の名前も分からない霊の身元捜しに乗り出しました。成り行きで一緒に調べることになった冴子とふたりで、霊の成仏のために奔走します。




森山 晋平/文 角 裕美/イラスト プレジデント社

 この本は、本当にあるけど辞書にも載っていない“変なことわざ”を紹介する本です。
 たとえば「大根を正宗で切る」は、日本刀の名刀・正宗を使って大根を着る行為に、「おおげさなことをする」という意味があります。解説に添えられている楽しいイラストと共に、ことわざ博士を目指しましょう。



ロコ・まえだ/著  柳原出版

 鳥の数え方は普通なら「一羽」。でもクジャクは、広げた羽が扇のように見えることから「一面」。じゃあ、犬小屋はなんて数える?
 無数にある日本語の助数詞の中から、私たちの身の回りの物の数え方を集めました。カラフルな絵に大きな字で、読みやすい一冊ですよ!



八重野 統摩/著 東京創元社

 小学6年生の男の子ハルは、1年前に起こした事件でクラスから孤立していました。そんなハルの前に現れた、アメリカからの転校生イリス。クラスメイトと仲良くしようとしないハルとイリスは、ある出来事をきっかけに親しくなります。将来NASAのエンジニアになりたいハルは、風船宇宙撮影の野望を叶えるべく、計画を立てますが・・・。
 大人びて英語だってできるハルの秘密が、最後に読者に明かされます。主人公は小学生ですが、ぜひ中学生のみなさんに読んでもらいたい物語です。

芥川 龍之介/著 筑摩書房

 「文豪の名作って名前は知ってるけど読んだことない・・」って人、結構多いんです。そんな人に、芥川龍之介をおすすめします。教科書に掲載されたことがある作品を集めたこの本は、ひとつの話が短い短編集なので読み進めやすい一冊です。
 平安京楼門での老婆と下人の邂逅(かいこう)を描いた『羅生門』、執筆当時の芥川の心境が反映された『蜜柑』、夏目漱石から絶賛され出世作となった『鼻』など、代表作が多く収録されています。古典の「今昔物語集」からも題材を得て描かれた、芥川文学の世界を覗いてみませんか?