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おすすめの本
 

No.629 平成30年5月

『はなの味ごよみ』『蕎麦、食べていけ!』
高田 在子/著 KADOKAWA

 両親をはやり病で一度に亡くしてから、鎌倉の田舎でひとり暮らしをつづけていた「はな」。これからずっとひとりで暮らしていくものだと思っていた矢先のこと。突然、はなの家に良太という男性が転がり込んできます。伊勢参りの途中で襲われたという良太。一晩泊めるだけのつもりが、一泊が二泊、三泊となり、いつしか二人は心を通じ合わせ、夫婦となります。
 幸せな日々が続くと思っていた矢先、良太が突然の失踪をとげます。どうしても忘れられない「はな」は良太を追って手がかりを頼りに江戸に向かうことに。「はな」は100万都市といわれる江戸で、愛する夫を見つけ出すことができるでしょうか?
(A.U)


江上 剛/著  光文社

 観光客の減少や、後継者不足に悩んでいるある温泉郷を舞台に、親の都合で都会からやって来た女子高生と、地元の信用金庫に勤める青年が、町おこしに奮闘する物語です。
 高校生が蕎麦を打つのを観光の目玉にしようと、腕利きの蕎麦職人だった女子高生の祖父に蕎麦打ちの指導をお願いに行きます。また、着々と進められていた町のリゾートセンター計画を知った青年は、メガバンク主導の計画を取り止めるよう、地元の有力者に訴えていきますが、その結果は…。
 さらに、主人公2人の親同士が昔、婚約者だったという驚きのエピソードも。元バンカーである著者が銀行の内情を紹介しながら、地方創生のヒントを盛り込んだ、町おこし青春小説です。
(K.S)


『池上彰の未来を拓く君たちへ』
『どこで、誰と、どう暮らす?』
池上 彰/著 日本経済新聞出版社

 現在、日本を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。外交・政治・教育など、国に関わることからわたしたちに身近なものまで、日本が抱える山積みの問題を池上彰さんと一緒に考えてみませんか?全ての事柄に正解があるとは限りません。大切なのは「考える」という行動にでることなのです。
 世界の情勢に詳しく、ジャーナリストでもある著者が綴る日本のこれから。『日本経済新聞』の連載コラム「池上彰の大岡山通信 若者たちへ」を加筆・再編集し、「今」を生きるすべての現代人へ送るメッセージが込められた一冊です。
(A.K)


近山 恵子、櫛引 順子、佐々木 敏子/著 彩流社

 この本を書いた三人の60代の女性は20代の頃ウーマンリブの活動で知り合いました。その後、それぞれが高齢者向け住宅やまちづくりの仕事に携わりながら常に、自分の将来の生活設計を考えてきました。そして60代になった現在は「ゆいま~る那須」というサービス付き高齢者向け住宅で暮らし、第二の青春を楽しんでいます。
 充実した人生を送るためには、「自分にとって豊かな暮らしとは何か、何があれば満足するのか、若いうちから真剣に考えることが必要」とアドバイスしています。
(N.K)


『義足でダンス』『合気道稽古とこころ 現代に生きる調和の武道』
エイミー・パーディ、ミシェル・バーフォード/著 辰巳出版

 学生の頃からスノーボードに夢中で、家族でアウトドアに出かけることも多かったエイミー。マッサージセラピストとして仕事に就き、やる気に満ちていた19歳の時、細菌性髄膜炎が彼女を襲います。
 数日間、生死の狭間をさまよった後、意識を取り戻した彼女は、両足を切断し義足をつけての生活を余儀なくされます。その後の人生をひたむきに頑張るための目標のひとつが“スノーボードをすること”。それに向かって、慣れない義足と格闘する彼女。そして、さらに新しいことに挑戦しようとひたむきに頑張る姿にエールを送らずにはいられません。
(R.K)


植芝 守央/著 内外出版社

 今や130ヶ国で愛好されている合気道。様々な武術を習得し、天才と言われた創始者・植芝盛平が目指した、試合も無く、競技もない合気道の理念「至誠の人を作る」とは・・・。
 脈々と受け継がれる合気道の技と精神。技の成り立ちや、稽古を通じて相手を尊重し受け入れ心を磨く事の大切さなど、創設者の間近で育ち、現代に受け継ぐ三代目道主・植芝盛央によって分かりやすく書かれています。
 身構えたり、力くらべにとらわれるのではなく、自然体で相手を受け入れ、導くという哲学は実生活でも生かされるのではないでしょうか?
(M.T)