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おすすめの本
 

No.740  令和5年3月

『人は何歳まで走れるのか?』『アジア多情食堂』
 南井 正弘/著  集英社

 ダイエットや健康のため、ストレス解消のためといった理由をきっかけに走ることを趣味とする人が増えています。日本のランナー人口は一千万人以上に及ぶようです。
 フリーライターで、スポースシューズのレビューを執筆する仕事がら、これまで1000足以上を履き比べる機会に恵まれた著者自身もランニング愛好家のひとりで、生活の一部としてほぼ毎日走っています。
 走ることは楽しめてはいますが、ふと「いつまで走ることができるのか?」という思いに駆られます。そこで、現役の高齢者ランナーやマラソン界の名手、脳科学者や医者などにインタビューを敢行。不安なくずっと走ることを楽しめる多彩なヒントが詰まっています。    
                  (Y.O)

 森 まゆみ/著  産業編集センター

 「食」から見えてくる、国の歴史や国民の多様性。著者がアジア11か国を旅しながら、そこで出会った人々や出来事をユニークに綴ります。
 2010年2月、著者が向かったのはタイ・ウェンパパオ。少数民族ラフ族が生活する村で、旧正月を迎えました。日本と同じように杵と臼で餅をついて胡麻をまぶし、笹の葉を巻いて香りづけ。歌い踊り、食べながら、賑やかな旧正月を過ごしました。
様々な場所へ移動しながら、屋台に寄ったり、地元民御用達の食堂でご飯を食べたり、現地の人々との交流を楽しみながら旅は続きます。旅の同行者になった気分で、アジア「食」旅行を楽しんでみてはいかがですか?
                  (A.K)


『鉄道員という生き方』『世界を騙した女詐欺師たち』
  大日方 樹/著  イーストプレス

 著者は、車掌を務めたあと、鉄道学校の教員として勤務しています。本書では、その経験から、鉄道員の仕事や魅力をたっぷり紹介。鉄道施設の保守を担当する営繕係や、裏方の事務職など、鉄道を支える人々の役割を知ることができます。
 また、利用者自身が防ぐことのできる、鉄道トラブルの対処法も掲載されており、体調不良を起こした時などの心配が解消します。
 鉄道員を志す人たちへのアドバイスや心構えに、著者の熱い想いが込められています。
                 (M.O)

 トリ・テルファー/著 富原 まさ江 /訳 原書房
 
 「confidence artist(信頼を得る名人)」と呼ばれ、巧みな言葉と行動力で宝石、車、家、遺産を手にする女詐欺師たち。本書に登場する女詐欺師は、国、時代、生まれ育った環境もさまざまですが、共通して強い野心、大胆さ、「もっともっと」という欲深さを持っていました。自己中心的な愚かさ、残酷さを持ちながらも、華やかで自信に満ち溢れた彼女たちに人々は魅了されます。
「もしも彼女のように振る舞えたとしたら?」と想像すると刺激的でわくわくする、ノンフィクションの華麗なる手口をご覧ください。
                 (S.M)

『不登校から大学受験』『お墓、どうしてます?
 ~キミコの巣ごもりぐるぐる日記』
 平野 稔/著  学びリンク
           
 もし子どもさんが、突然学校に行けなくなってしまったら、どうしますか?
 大学受験の資格は、学校生活を送っていれば、特に何も考えることもなく得ることができます。よって、一旦学校を離れてしまうと、コースから外れてしまったと悩まされるかもしれません。
 しかし、大学進学へ至る道は、実はいろいろあるのです。この本では、まず子どもさんの自己肯定感を取り戻すところからスタートし、進路の決め方や多様化してきている大学の受験方法など、自分のペースで進学できるよう、丁寧に解説されています。
 大学進学だけが進路ではありませんが、前に進みたい子どもさんの気持ちを応援してくれます。
                 (A.K)
 
 北大路 公子/著  集英社

 どこまでも青く爽やかな空の下、父が急逝した。と、ここからが問題だ!父は一切、終活をしていなかったのだ!
 葬儀のあと感傷に浸る間もなく、墓をどうする問題が勃発した著者。慌てふためく家族をよそに、緊急事態宣言が世の中をストップさせ、お墓問題も棚上げに?コロナ禍で問題が山積し、振り回され、なぜか猫を飼ったり、蟹を堪能したりとあちこち寄り道ばかり。さて、著者は無事にお墓を買うことができるのでしょうか?
 親の死後、残された家族がなすべきことや決断すべきことが身につまされます。老いた親をもつ、すべての方におすすめしたい一冊です。
                 (Y.N)