令和4年3月号



田村 あつこ/文 高畠 那生/絵 フレーベル館

 チーターのオッジィは、いつもひとりぼっち。かみさまに、「ともだちをつくるちからをください」と、いのると、えだをくれた。えだをふって、じゅもんをとなえると、だれかのゆめがかなうという。あたらしいともだちとであうために、オッジィはたびにでた。するとシカが、じぶんのあたまは、かれた、きのようでつまんないといっていたので、オッジィがじゅもんをいうと、かっこいいあたまにだいへんしん。こんどはハリネズミのオットが、なやみをつぶやいていた。






おくやま ゆか/さく 福音館書店


 ナメクジとカエル、ヘビをたすけたゆうた。つぎの日(ひ)、ゆうびんうけをみると、はがきが三(さん)まいはいっていました。ナメヨ、ガマコ、ニョロミから、ゆうたあてにとどいたしょうたいじょう
で、ぜんぶ、きょうのよていです。へんな名(な)まえだけど、おもしろそうだとおもったゆうたは、しょうたいされたばしょへいくことにしました。
 ナメヨにあうと、なぜか「きのうは、どうもありがとう」とおれいをいわれ、いっしょにしおけのないおせんべいをたべたり、えをかいたりしました。つぎに、ガマコのところへむかうと、またおれいをいわれ…。



        低学年から

>>>本のよやくはここからできます

「おなかをすかせたドラゴンとためいきゼリー」

仁科 幸子/作 あすなろ書房

 ここはネコの街(まち)。今夜(こんや)も黒(くろ)ネコは、『ためいき』を集(あつ)めます。黒ネコは、ためいきをもらうと、ハッピーになる水(みず)アメを一(ひと)つプレゼントしていました。水アメをなめたネコはみんな、いっしゅん目(め)をかがやかせます。実(じつ)は、このためいき、友(とも)だちのラッキードラゴンの好物(こうぶつ)。ためいきをすって、ハッピーエネルギーをつくりだしているのでした。そして、そのためいきは、ゼリーにして食(た)べると味(あじ)が濃(こ)くなり、おいしいのだそう。だけど、深(ふか)いためいきをつかないネコが、だんだんふえてきてしまい…。






村中 李衣/作 石川 えりこ/絵 BL出版

 ぼく、さとるは去年(きょねん)、岡山県(おかやまけん)に引(ひ)っこしてきた。いえは、奉還町(ほうかんちょう)商店街(しょうてんがい)をぬけたすぐ先(さき)。商店街にあるまんじゅう屋(や)の息子(むすこ)、あつしと仲良(なかよ)くなったけど、あつしんちのとなりのおっちゃんが、ちょっと苦手(にがて)だ。あいさつしても反応(はんのう)はないし、にこりともせず朝(あさ)から晩(ばん)まで、腕組(うでぐ)みをして店(みせ)に立(た)っている。
 だけどある時(とき)、おっちゃんの立っていない日(ひ)がおとずれた。入院(にゅういん)しているという。お見舞(みま)いをよろしくと、「たねやのノダ」のおばあちゃんからたのまれたのに、あつしは店番(みせばん)を理由(りゆう)についてこなかった。ぼく一人(ひとり)で、おっちゃんのいる病院(びょういん)に向(む)かうはめになってしまった。