令和4年度11月号



  神戸遥真/著  講談社
 
   「誰かの常識が、みんなの常識が、世界のすべてじゃない」「スカートなんて、究極的な服の一形態でしかない」
ジェンダーフリー制服が導入された作草部高校。2学期の初めに身長180センチの笹森君がスカートで登校してきました。スラックスを選んだ女子は少人数ながらいるものの、男子でスカートを穿くのは笹森君だけ。周りは様々な憶測をしますが、当の本人は「穿いてみたかっただけ」と言います。ただ、彼がスカートを選んだことにはある思いがあって・・・。






『中学生から知りたい ウクライナのこと』

  小山哲・藤原辰史/著  ミシマ社

 
穏やかな日常を一方的に奪われたウクライナに住む人たちは今もなお、ミサイルや銃弾におびえ、眠れない夜を過ごしています。遠く離れた地でその映像を見る私たちにできることは、なんでしょうか。
 二人の歴史学者がわかりやすく解説したウクライナの歴史。読んでみると、この戦争が2月から始まったわけではないことがわかります。今起こっている戦争のニュースに目を背けず、忘れないことを筆者たちは強く語ります。今こそ、ウクライナという国を知ってみませんか?


『激写!身近な虫のディープな世界 公園で出会える昆虫44種』

  石井誠 /著  築地書館

 エサキモンキツノカメムシのメスは食事もせずに、幼虫になるまで卵を抱いて育てます。その姿は裏の表紙に写真で紹介されていますが、集合体が苦手な人は鳥肌が立つかもしれません。ここで紹介された虫たちは、普段みなさんの生活している身近な場所で発見することができます。虫たちの知られざる生き様がわかり、不思議な世界に驚く一冊。公園の昆虫観察にはとても便利ですよ!





『世界遺産を救え!』

  レオ・ホプキソン/著 武井摩利/訳  創元社
 
 世界遺産は1972年にユネスコで採択された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」に基づき、12件の登録から始まり現在では1154件(2021年)。日本では広島の原爆ドームや姫路城などが登録されています。この本では、たくさんの組織と地域社会が協力し、重要とされる数々の遺産を守り、後世に残すための保護活動が紹介されています。世界遺産に何が登録されたかを知るだけではなく、自然災害、戦争、気候変動、環境汚染など、常に脅威にさらされながらも奮闘する人たちの姿を見てみませんか?







『16テーマで知る鎌倉武士の生活』

 西田友広/著  岩波ジュニア新書 

 戦国時代や幕末ほどスポットが当たらない鎌倉時代。鎌倉幕府の事跡を記した歴史書『吾妻鏡』などをもとに、鎌倉武士(坂東武者)はどのような暮らしをしていたのかを具体的に解説しています。この時代、みなさんと同じ年の頃には成人(元服)を迎え、合戦にも参加させられている人もいました。甲冑の重量は約25キロ!
大河ドラマでは、鎌倉殿に仕える有力御家人などで構成された13人たちも回を追うごとに討ち取られ、クライマックスを迎えています。ドラマを見ている人はもちろん、授業とは違う発見が楽しめる一冊です。