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おすすめの本
 

No.731  令和4年9月

『コロナに翻弄された甲子園』『レぺゼン母』
小山 宣宏/著  双葉社

 
春のセンバツ、夏の甲子園と季節の風物詩でもある高校野球。高校球児たちは、高校野球の聖地・甲子園をめざし厳しい練習に日々励んでいます。
 そんな彼らを悪夢が襲いました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年の春夏ともに高校野球甲子園大会の中止。大きな目標が目の前で断たれた球児たち、そして彼らを率いてきた監督はその現実にどう向き合ったのでしょうか。
 スポーツジャーナリストの著者が、全国8校の名門高校硬式野球部の監督を取材し、当時の様子を綴っています。見えない敵との闘いに、新たな高校野球の姿が問われています。
(Y.O)

宇野 碧/著  講談社

 「レペゼン」とは、ヒップホップ用語で言うところの「代表する、象徴する」。これは「レペゼン母」、つまり「おかん代表」を冠して、母親が息子に「サヨナラ」をつきつける物語――。
 深見明子は、今年65歳。夫を亡くしてから30年、女手一つで息子を育て、梅農園を切り盛りしてきました。
 ある時明子は、自身の悩みの種である息子が、ラップバトル大会に出ることを偶然知ります。ここで、明子は驚きの行動に。息子が出場するラップバトルの大会に自分も出場するのです。
 「おかん代表」明子のラップは、観客、そして息子の心を揺さぶることができるのか?怒涛の展開から目が離せません。
(A.K)

『プチプラで「地震に強い部屋づくり」』『そのとき、日本は何人養える?』
辻 直美/著  扶桑社

 
本書は、大規模地震が起きたときに、部屋にあるものが凶器と化す状況下でも死なないため、また少しでも快適な在宅避難生活を送るための「地震に強い部屋作り」に必要なアドバイスを、写真等を使って詳しく記しています。
 その中で100均グッズなどのプチプラアイテムを使った手軽にできる防災術についても紹介しています。
 災害レスキューナースとして、様々な現場で活動してきた著者。本書には命を守るため、生き延びられる家で暮らしてほしいという著者の想いが込められています。
(M.O)

篠原 信/著  家の光協会

 
海外から食料や石油を輸入できない場合、日本が養えるのは3000万人前後だろうと著者は考察しています。現在の日本はまだまだ豊かな食生活を維持できていますが、世界中が戦争に巻き込まれたり、貿易が思うようにいかないような国際情勢になったとき、今の食料生産や社会システムのままでいいのでしょうか。
 本書は、エネルギー、環境、食料、経済の4つの視点を軸に、日本を飢えさせないための30の着眼点を取り上げ、食料安全保障を考えています。農業従事者にも、農業以外の職業の人にも経済のシステムを知ってもらい、食料問題をどう解決するか一度考えてみませんか。
(S.M)


『イラストで読む建築 日本の水族館五十三次』『カーザ・ヴェルディ 世界一ユニークな音楽家のための高齢者施設』
宮沢 洋・Office Bunga/編著  青幻舎

 世界にある水族館のうちの、およそ5分の1が日本にあることをご存知ですか?そんな「水族館大国」である日本には、工夫された水槽の形や五感で楽しめる展示など、魅力的な水族館がたくさんあります。
 福岡県の“マリンワールド海の中道”は「白い貝殻」をイメージした建物になっていて、この基本設計は、「ロサンゼルス現代美術館」などを手掛けた世界的建築家・磯崎新氏がデザインしたものなんですよ。その他にも、全国の素敵な水族館をたっぷりのイラストや写真で紹介。家族みんなで楽しめる1冊です。
(S.M)


藤田 彩歌/著  YAMAHA

 イタリア・ミラノにある高齢者施設。ここは世界でもまれな、引退した音楽家たちのための施設です。「音楽家が引退後も、生涯音楽的な生活ができるように」と、偉大な作曲家・ヴェルディの願いを込めて設立されました。
 ここに、ひょんなことから住むことになった20代の若き音楽家の卵たち。豊かな人生経験と、輝かしい功績を持った同居人たちと、奇想天外、ユニークで音楽的な毎日を過ごします。
 音楽を通して生まれる、かけがえのない交流と伝承。そこには年齢の垣根など全く感じさせません。              
(Y.N)