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おすすめの本
 

No.722  令和4年4月

『震災を語り伝える若者たち』『お隣は外国人 北海道で働く、暮らす』
瀬成田 実/著 かもがわ出版

 2015年4月、宮城県七ケ浜町立向洋中学校に赴任した著者は、当時入学したばかりの生徒と震災学習を行いました。震災の映像を見たり、被災した方から直接話を聞いたりして、震災に改めて向き合いました。そして学生の有志たちと、「町の復興の役に立ちたい」とFプロジェクトを立ち上げます。
 Fプロジェクトメンバーたちは紙芝居を使い、語り部として命の大切さを伝えていきます。その学習や実践を通して、生徒たちの心の変化を感じ取ることができる一冊です。
(M.O)
「お隣は外国人」編集委員会/編 北海道新聞社

 北海道では近年「働く外国人」が急増しています。出入国が国難なコロナ禍の中、微増する産業分野もあり、全体として大幅な減少は見られません。多くは北海道で1次産品の生産・加工を担っています。道内各地では、町内会住民として外国人を受け入れる国際化が始まり、日本語教室を自治体単位で開催しています。本書は第1部「働く外国人」として、農水産業、建設業、介護分野での受入れの実態。第2部「生活する外国人」では、地域の生活者としての動き、生活の様子、日本語学校の現状や課題。人権にかかわる事件への取り組み事例、技術実習生の失踪問題の背景についても解説。言葉の壁、文化的相違を乗り越え外国人が安心して働く環境とは。北海道の今と書き手の思いを伝えたいという一冊。
(T.M)
『教育格差の診断書』『油絵は謎をささやく』
川口 俊明/編 岩波書店

 所得や教育、男女、医療、地域などさまざまな分野で不平等が生じ、格差社会が問題視されています。本書では、編者が代表を務める研究チームが、実在する自治体の学力調査を継続的に調査し、得られたデータを分析することで教育格差の実態を示しています。日本の教育行政が実施する学力調査が一過性で生かされていないと懸念し、「やりっぱなし」の教育改革のループから抜け出すために何をすべきか明らかにしています。何より子どもに係わる人だけでなく、誰もが教育格差や教育問題に意識を向けることが大切で、問題解決への第一歩を踏み出して欲しいとの願いが込められています。
(Y.O)
翔田 寛/著 KADOKAWA

 大学で日本文化史を教えている小宮山のもとに、教え子の星野が相談に来ました。内容は、星野の実家が所有している高橋由一の油彩画が本物だと証明してほしいというものでした。
 その絵には不可解な部分があり、真筆のようでいて破綻を内在していたため、小宮山は現地を訪れ絵の背景を詳しく調べます。すると、明治期の女性失踪事件やトンネル建設の反対一揆などの事件との関係が!一枚の絵が呼び寄せた謎ときに、あなたも引き込まれること必至です。
(S.M)

『となりのハト』『がんばりすぎないお仕事復帰BOOK』
柴田 佳秀/著 山と渓谷社

 私たちにとって非常に身近な鳥であるハト。ハトの仲間は全世界に約350種、日本には12種のハトがいるそうです。その中でも一番目にしているのが「ドバト(カワラバト)」。公園でご飯を求めて忍び寄ってくるイメージや、首を前後させて歩く姿に苦手意識を持っている方も少なくないのではないでしょうか。しかし、ハトの歴史を見ると、伝書鳩として活躍したり、平和の象徴として世界で愛されたりと、大切な存在として人間と共に過ごしてきたことがわかります。
 ハトが少し愛しくなる、愛らしさが存分に感じられる一冊です。
(A.K) 
藤井 佐和子・mamari/監修 KADOKAWA

 産休・育休の悩みを、これで解消!
 いまや共働きはスタンダードになりつつありますが、いざ妊娠となったら、「これから何をしたら良いのだろう…」と不安になることはありませんか?
 本書では、妊娠中の働き方、育休の申請のタイミング、また、子どもが生まれてからの復職のしかたや知っておくと便利な情報まで、経験者の声とともにまとめてあります。巻頭の「妊娠~出産~復職までの流れ」も必見ですよ。
 「がんばりすぎず仕事を続けていけるヒント」が満載の一冊です。
(A.K)