令和4年度4月号


『落花流水』

 鈴木 るりか/著  小学館

 近所に住む小学6年生の祐太お兄ちゃんが連れて行ってくれるということもあり、水咲は保育園の年長になった頃から書道教室に通い始めました。しかし、祐太お兄ちゃんは中学校入学前に教室をやめてしまったのです。書道教室までの行き帰りに祐太お兄ちゃんと遊べることが水咲にとってとても楽しい時間だったのです。
 代々教育者の一家に生まれた祐太お兄ちゃんは、その後、大学へ進学し、高校教師に。
 そんな祐太お兄ちゃんが突然逮捕されてしまったのです。一体、何があったのでしょうか。



『さばの缶づめ、宇宙へいく』

 小坂 康之/著 林 公代/著  イースト・プレス    
 
 2020年11月、宇宙飛行士の野口聡一さんが宇宙に持っていったさば缶。それは福井県の若狭高校で製造されたものです。
 宇宙日本食に認定されるためには高いハードルがあり、現在認証中のほとんどは大手食品メーカーが開発したもの。若狭高校のさば缶は、その中でも異彩を放つ存在です。
 「宇宙食、作れるんちゃう?」という生徒の何気ない一言がきっかけとなり、長い年月をかけて夢を叶えた先生と生徒の姿に感動です。



『大人になるまでに読みたい15歳のエッセイ① むねにひびく』

  和合 亮一/編・エッセイ  ゆまに書房

 角田光代、長田弘など、多くの作家のエッセイが収められた一冊。深く共感したり、同じ思いに駆られたり…青春時代を生きている今だからこそ出会ってほしい文章が選び抜かれています。描かれている大いなる歳月の中から、心のありかを見つけ出してほしいとの編者の思いが込められています。





『キリン解剖記』

 郡司 芽久/著  ナツメ社
  
 幼い頃からキリンや動物が好きで、夢を叶え、キリンの研究者になった著者。これまで30頭ものキリンを解剖しています。
 解剖は動物の体の構造を知り、生きているキリンのために役立つものです。動物たちの死を無駄にせず、一つでも多くの知識をと、亡くなった動物と向き合っています。
 知識を身につけることの楽しさと素晴らしさ、そして、著者の研究に対する情熱が伝わってきます。
 



『コロキパラン 春を待つ公園で』

 たかどの ほうこ/作 網中 いづる/絵  のら書店 
 
 チョコレート屋さん「ムッシュ・チョコット」でアルバイトをすることになったわたし。公園でチョコレートを販売し、カードに似顔絵を描くという仕事です。

 コロキパラン……キロラポン……  
 コロキパラン……キロラポン……

 時おり流れてくるオルゴールの音に誘われるかのようにお客さんは絶えず、行列を作ります。チョコレートは完売し、ようやく最後のお客さんを終えると…なんと不思議なことが。