令和3年度3月号


『屋根に上る』

 かみや としこ/著  学研プラス

 中学一年生の皓は、両親ともに夜遅くまで仕事をしているせいで、家では多くの時間を一人で過ごします。天気のいい日は、木製のはしごを使って自宅の屋根に上り、そこで寝ころがって空を眺めるのが大好きです。
 ある日、家の修理のために来てもらった村田さんとの出会いが、皓に変化をもたらします。大工だった皓の祖父に仕事を教えてもらったという村田さんは、作業をこなしつつ、釘を使わずに木材をつなぎ合わせる「木組み」の技法を皓に説明してくれたのです。





『13歳からのファシリテーション』

 ちょん せいこ/著  メイツユニバーサルコンテンツ
 
 ファシリテーションとは、一人ひとりの意見を生かし、みんなで納得して意見をまとめたり、課題解決を進める話し合いの技術のことです。これを活用すれば、クラスの話し合いやグループでの討議もスムーズに進めることができます。
 この本では、個性豊かな四人の生徒たちが教室で話し合う様子が描かれています。様々な意見が出ることで、友達の意見に共鳴したり、新しいアイデアが浮かんだり…良好なコミュニケーションのためにも読んでほしい一冊です。




えほん 遠野物語『おまく』 『きつね』 『しびと』 『ばけもの』

 
柳田 国男/原作 京極 夏彦/文  汐文社

 
遠野物語は、岩手県遠野地方に伝わる逸話・伝承などが記されている、明治時代に柳田国男が発表したものです。語り継がれてきた不思議な物語が絵本になりました。謎に満ちたストーリーに絵が加わり、さらに怪異の世界へと導かれます。





『支える、支えられる、支え合う』

 サヘル・ローズ/編著  岩波書店
  
 私たちは多くの人に支えられながら毎日を生きています。また、自分では感じていなくても、あなたが誰かの支えになっているかもしれません。誰も一人では生きていけないのです。
 この本に登場するのは、いじめや虐待を受けた経験がある人や子どもたちを支援している人などで、〈支え合う〉ことに関わっています。さまざまな環境にいる人たちがお互いに理解しあうこと、他者を思い支え合うことの大切さについて考えてみませんか。





『食べものが足りない!』

 井出 留美/著  旬報社 
 
 私たちの命をつなぐ大切な食料。日本では食品ロスが問題になっていますが、現在、世界の10人に1人が飢餓に苦しんでいると言われています。食糧危機に直面しているのです。原因は、紛争や貧困、経済格差、コロナ禍など。中でも大きく影響しているのが気候変動です。世界各地で大規模な気象災害が起き、多額の経済損失を生みだしているのです。
 食糧危機問題を少しでも解決できるように、まずは現状を知り、一人ひとりができることから取り組みましょう。