令和3年10月号



堀切リエ/ぶん 長谷川知子/え ポプラ社

 おじいちゃんの畑(はたけ)のジャガイモは、地面(じめん)の下(した)で、むくむくと育(そだ)っている。でも、きょうも雨(あめ)。雨がつづくと、ジャガイモはびょうきになったり、くさったりしちゃうんだって。ぼくが畑(はたけ)をみていると土(つち)の中(なか)から、どぐうがとびだしてきた!どぐうちゃんが、かた手(て)をゆびさして、「ドグ・グルル!」というと、地面(じめん)におおきなうずまきができて、ぐるぐるまわりだした。どぐうちゃんはぼくをつかんで、うずへとびこみ、くらいあなをどこまでももぐっていく。すると、たどりついたのは…。




戸森しるこ/作 スケラッコ/絵 福音館書店

 たべることが大(だい)すきな、れおくんは、おりょうりがとくいな、おとうさんのてつだいをよくしています。
 さて、こんやのメニューはなんでしょう?おとうさんは
れんこんをきるように、れおくんにわたしました。スットンとようやくきれたかとおもうと、れおくんは、びっくり。「こんにちは。れんこちゃんよ。」とれんこんがしゃべったのです。でも、にものになるのがいやな、れんこちゃんは、とつぜんとびあがり、タイヤのように、ころころころがっていきました。れおくんは、あわてておいかけます。すると、れんこちゃんは、ほんとうにタイヤになってしまいました。




        低学年から

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たかどのほうこ/作 平澤朋子/絵 ポプラ社

 ぼく、やまむらつとむは、おかあさんといっしょに、物置(ものおき)みたいな古道具屋(ふるどうぐや)さんに入(はい)った。そこで見(み)つけたのは、古(ふる)くさい赤い表紙(あかいひょうし)の本。金色(きんいろ)の線(せん)でくるくるしたもようと、くるくるした字(じ)で『トムと3時の小人<下>』と書(か)いてある。どうしてもその本を読(よ)みたかったので、次(つぎ)の日、図書館(としょかん)へ行(い)くことにした。
 司書(ししょ)のおばさんが持(も)ってきてくれた本は、表紙が青色(あおいろ)だった。でも、くるくるした字や古くささは同(おな)じだ。ぼくは、ドキドキしながら、あつい表紙をそっとめくった。「トムがフローラおばさんの家(いえ)にやってきてから…」それから、本をどんどん読んだ。



桐生環/作 野間与太郎/絵 フレーベル館

 豆吉(まめきち)は、11歳(さい)になったばかり。江戸(えど)でも評判(しょうばん)の高(たか)い菓子屋(かしや)「鶴亀屋(つるかめや)」に住み込(すみこ)みで働(はたら)いていたが、若旦那(わかだんな)と浅草(あさくさ)で店(みせ)を出(だ)すことになってしまった。若旦那が昨日(きのう)の昼間(ひるま)、店先(みせさき)で客(きゃく)と大げんかしたことが原因(げんいん)で、若旦那は店を追(お)い出され、豆吉がその見張り役(みはりやく)として付(つ)いていくことになったからだ。けんかの内容は、「大福の餅(だいふくのもち)は厚(あつ)いほうがいいか、うすいほうがいいか」たったそれだけのことだった。
 鶴亀屋を出てからついに開店(かいてん)の日がやってきた。しかし、しばらくして店にやってきたのは、なんと若旦那と大げんかした辰五郎(たつごろう)だった。