令和3年度9月号


『未来のミライ』

 細田 守/著  河出書房新社

 4歳のくんちゃんの家に赤ちゃんがやってきました。妹が生まれたのです。病院から帰ってきたお母さんは赤ちゃんを「大事にしてね。」と言いますが、くんちゃんはお母さんが赤ちゃんにばかり気をとられているので気に入りません。泣きながら中庭に出たくんちゃんは、どこからともなく、笑いを噛み殺すような引きつった声を耳にします。
 同名の映画が小説化されました。




『いにしえの言葉に学ぶきみを変える古典の名言 』1

 福井 蓮/文  汐文社
 
 日本三大随筆の枕草子、方丈記、徒然草。随筆の主題は、筆者の体験と感じたこと。筆者が見て聞いて感じたことを通して、自分とは違う物の考え方や見方を理解することが、随筆を楽しむコツだと著者は言います。
 古典が苦手な人でもやさしく解説されているので大丈夫。昔の人の文章が、生き方や考え方を見つめなおすきっかけになるかもしれません。



『ボーダレス・ケアラー』

 山本 悦子/著  理論社

 一人暮らしで認知症の症状が出ているばあちゃんの世話のため、一か月程度、ばあちゃんの家で過ごすことになった海斗。ばあちゃんは孫の海斗のことを思い出せず「マサルさん」と呼びます。さらに、ばあちゃんと一緒に暮らしていた犬は先月亡くなってしまったものの、ばあちゃんは毎日リードを持って散歩に行くのです。その様子を心配して、一緒に散歩に出かけた海斗は、リードを持つと不思議な現象が見えることに気づきます・・・。




『ゆるかわ古生物図鑑』

 高橋 のぞむ/作・絵  西東社
  
 古生物とは、人類の文明が本格化する前に生きていた生物のこと。この本では、約5億4100万年前から約2億5190万年前の地球に存在していたという古生物が、ゆるかわなイラストで60種類ほど紹介されています。
 全長10cm以下の生物がほとんどだった時代に1mの体を持っていたという巨大生物・アマノロカリスや眼が5つもあるオパビニアなど、個性的すぎる古生物たち。謎多き不思議な古生物の世界をのぞいてみませんか。
 



『10代のための読書地図』

 本の雑誌編集部/編  本の雑誌社 
 
 1976年から発行されている、本と活字にまつわる情報が豊富に掲載されている「本の雑誌」という月刊誌があります。
 この本は、「本の雑誌」初の10代向けのブックガイドです。〈友だち〉や〈名探偵〉、〈ダメだけどかっこいい〉など、様々なジャンル別のおすすめ本が紹介されています。また、今の10代に読まれている本の傾向を知ることができたり、47都道府県のブックリストが掲載されていたりと、本の世界をさらに楽しむための情報満載の一冊です。