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おすすめの本
 

No.702 令和3年6月

『どうしても頑張れない人たち』『雷神』
宮口 幸治/著  新潮社
 
 「頑張る人を応援します!」よく聞かれるフレーズですが、頑張らないと応援しませんという意味にもとれます。しかし頑張れない人こそ支援が必要なのです。この本では頑張れない人たちはどう感じているのか、なぜ頑張れないのか、そして周りの人たちはどうしたらよいのかを解いています。
 頑張るためには動機づけが必要です。ほめられたい、お金持ちになりたいなどの願望を持ち、それに向けてやる気スイッチを自分で押さなければなりません。「頑張れない人への支援」は支援する立場の医師や教師や家族が病んでしまう場合も多く、極めて大変な事です。児童精神科医として、多くの子どもたちに向き合ってきた著者の視点を参考にしてください。
                  (N.K)

道尾 秀介/著  新潮社

 

 1981年、地元の祭り「神鳴講」の前日、当時12歳だった藤井幸人は母親を亡くしました。時は経ち、父から受け継いだ小料理屋を営む幸人のもとへ一本の電話があります。電話の男は、15年前に亡くなった幸人の妻と娘の秘密について語り、金を要求してきました。
 家族を守るため、そして母親が亡くなった事故の真相を探るため、幸人は生まれ故郷へ向かいます。そこには思いがけない真実が隠されていました。幸人の父が自分の人生を犠牲としてまで守りたかったものとは一体何だったのか。二世代に渡って繋がる家族の物語です。
                (A.K)
『災害とたたかう大名たち』 『人生がキラめく靴選び』
藤田 逹生/著  KADOKAWA

 今、コロナ禍において私たちは大変な危機に瀕しています。国内ではこの20年の間に、地震・台風・猛暑・豪雪など様々な災害に襲われました。本書では、伊勢・伊賀等での32万石の外様大藩・藤堂藩の例を中心に、江戸時代の地域社会を襲う様々な災害に、藩がどのように領民を守っていたのかを問いかけます。心のケアも含む領民の生活を保護していたという江戸時代後期の藩の災害復興策の充実とは。当たり前の日常を守るために、日本人はどう闘ってきたのでしょうか。歴史の中から学ぶことは多いのです。
                  (T.M)
森 千秋/著  河出書房新社 

 外反母趾や、魚の目、タコ…足の悩みは千差万別ですが、これらの悩みは靴が足に合ってないことから始まります。
 悩みを解消するために、オーバーサイズの靴を選んでいませんか?実はそういった靴ほど足の悩みを助長しているのです。「靴選びはカカト選び。足の幅ではなく、カカトに合わせて」と説く著者も、長年、靴が合わないと悩んできた一人でした。
 自身の大変な経験を元に、靴選びの大切さを伝える一冊です。ストレスのない歩行で、人生キラめかせてみましょう!
                (A.K)
『キネマの天使 メロドラマの日』『断捨離道場』
赤川 次郎/著  講談社

 スクリプター。それは映画の撮影現場で役者の動き等の映像に写るすべてを記録・管理する仕事です。若手スクリプターの東風亜矢子は、映画監督の正木の下で新しい映画を撮ることになりました。代役やスタントマンなどもこなしてしまう亜矢子ですが、なんと、殺人事件にも巻き込まれてしまいます。
 我儘な監督に振り回されたり、何度もトラブルに巻き込まれたりしながらも、愛する映画のため奮闘します。無事に映画を撮り終われるのか。亜矢子の活躍ぶりと事件の衝撃的な結末にも注目です。
                  (M.O)
やました ひでこ/著  講談社 

 「断捨離」という言葉を聞かない日はないと言っていいほど世間に浸透しています。断捨離は、執着を断って、捨てて、離れるというヨガの教えによるもので、それを日常生活に取り入れることを提唱したのが著者です。その著者のもとに寄せられた多種多様な質問に答え、改めて断捨離の手法や考え方を本書で指南しています。
 モノの片付け方だけにとどまらず、人間関係や心の整理の仕方まで、断捨離の精神から導かれた言葉が添えられていて、わたしたち自身の生活と向き合うきっかけにもなります。           
                 (Y.O)