令和3年度5月号


『人類やりなおし装置』

 岡田 淳/著  17出版

 ぼくと教授は研究所で働いています。研究のテーマは多岐に渡っていて、どんなにまずい料理でも、ふりかければおいしくなるというふりかけ粉を作ったり、タイムマシンを作ったり…。
 ある日、世界平和のために「人類やりなおし装置」を作ろうと思い立った教授。そこから出る特別な波にふれたものは全て植物になるという装置で、それさえあれば戦争や環境汚染などの問題がすべて解決できるというのです。果たして、彼らの研究はうまくいくのでしょうか。



「『さいごの本やさん』の長い長い終わり」

 野村 美月/著  KADOKAWA 
 
 町で最後の一店となった書店でバイトをしている水海。ある日、店長の急死により店は閉店となることが決まってしまいます。店長の死後、閉まっていた店が最後に一週間だけ、お客さまへの感謝と在庫の整理をかねて営業をすることになりました。その準備に追われる水海のもとにむすぶという少年が突然現れたのです。しかもその少年は「店長は生前遺言状に、書店にあるすべての本を僕に任せると書いていた」と言うのです。



『しぜんのおくりもの』

  イザベル・シムレール/文・絵  岩波書店

 イラストレーターや絵本作家として活躍する著者のスケッチ集。多くの動物や植物、昆虫などがページいっぱいに描かれています。彼女の観察眼の鋭さと繊細な描写によって、それぞれの生き物たちは息を吹き込まれ、いきいきとした魅力が伝わってきます。彼女が描く生き物たちの世界を味わってみませんか。




『スカートはかなきゃダメですか?』

 名取 寛人/著  理論社
  
 著者は、かつて世界的に有名なトロカデロ・デ・モンテカルロ・バレエ団に初めての日本人ダンサーとして入団していました。しかし、生まれた時は女性だったのです。
今でこそよく耳にするようになった性同一性障害という言葉ですが、著者も幼い頃から性別で悩みを抱えてきたといいます。大人になり、性別適合手術を経て現在は男性となった著者の48年間の人生が綴られています。
 年齢や性別などを理由に何かをあきらめようとしている人に向けて、「夢は叶えられる」というメッセージが込められた一冊です。

 



『ざんねんな偉人伝』

 青山 知幸/著  学研プラス
 
 歴史に名を残している偉大な人たち。彼らにもダメダメな部分があったのです。
 例えば、生涯で1300もの発明と技術革新をおこなったエジソン。彼自身の睡眠時間が短かったことから研究員の居眠りには特に厳しく、居眠り防止のため、体の下にマシーンを設置していたというのです。さらに、収入があれば研究費に全部つぎ込んでしまうほど、お金にはルーズだったそうです。
 この本には、世界の偉人たちの驚くべき行動や欠点が書かれています。彼らの意外な素顔を知ると、急に身近な人に思えてきます。