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おすすめの本
 

No.697 令和3年3月

『80歳、歩いて日本縦断』『なぜデジタル政府は失敗し続けるのか』
石川 文洋/著 新日本出版社

 戦場カメラマンとして命がけの取材をし、世界中の絶景を撮影して巡った著者にとって、歩いて日本の風景を見ることは長年の夢でした。心筋梗塞で身体障碍者証を受け、心臓カテーテル手術を経てもその気持ちは変わらず、80歳で3,500キロの日本縦断を実行しました。本書は宗谷岬の出発から那覇市のゴールまで11か月にわたる日々の記録です。そこにはカメラマンとして目に入る風景を思う存分撮影しながら、東北の被災者との交流や、下校途中の子どもたちとのやりとり、旧友との再会など人とのふれ合いを通し、平和な日本を満喫する様子が記されています。
(N.K)

日経コンピュータ/著 日経BP

 新型コロナウイルスに感染した人と接触したことをスマートフォンで伝えるアプリに、一部の機種で通知が来ないという不具合が発覚しました。国民へ広く導入を進めていたこの政策はなぜ失敗したのでしょうか。実は、この20年間で政府はデジタル化を進めてきましたが、いくつも失敗例が挙がってきます。その原因を探ると、制度設計や機械だけの問題でなく、意外なことに人の問題も大きく係わっています。ただ、これらの事業にも莫大な予算が投入されているのも現実です。
 これからデジタル庁が設立されて、より一層デジタル変革が進んでいきますが、どんな問題が潜んでいるかを考えるきっかけとなる一冊です。

(K.S)
『お金の使い方テク』『潜匠』
内山 貴博/著 朝日新聞出版/編著 朝日新聞出版

 日本では人にお金の話をすることはタブーというような風潮があり、諸外国に比べてお金に関する活用力が弱いともいわれています。数年前には、老後2,000万円問題も出てきました。
 お金を今まで勉強する機会がなかった人に向けて、貯金の方法や投資、制度、相続などの知識が満載な本書。例えば、買い物をする時に、それは自分にとって消費か、投資か、浪費かを考えると無駄遣いを防ぐことができるといいます。
 現金を持たない、キャッシュレス時代へとなってきている現代。将来のことを考えながら、お金と上手に付き合っていきたいですね。
(A.S)
矢田 海里/著 柏書房

 東日本大震災から10年が経ちました。被災地の復旧の様子はテレビなどの報道で目にしますが、被災した人々の心情は計り知れません。
 ライターの著者は震災後に現地入りし、取材をしつつボランティアをしていた時に吉田浩文という男性に出会います。彼は、自身も被災者でありながら、民間のダイバーとして行方不明者の捜索活動をしていました。遺体引き上げの現実を伝えて欲しいという吉田氏の願いと、遺体引き上げのダイバーという存在に心動かされその姿を追ってきました。
 死という局面に向き合い、葛藤や苦悩を抱えながら遺体引き上げに尽力するダイバーの記録が綴られています。

(Y.O)
『ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』『やさしくわかる抗がん剤の副作用とその対処法』
井上 智介/著 KADOKAWA

 赤ブチめがね・金髪アフロの産業医が、「しんどい」を楽にする方法を教えてくれます!
 春が来て、またコロナ下で、生活環境が変わった方がいらっしゃることでしょう。それに伴って、人間関係に悩みは出てきていませんか?仕事や職場環境に少しでも「しんどい」思いがある方、まずはこの本の目次だけでもご覧ください。考えなくていいことがズラッとならんでいます。それだけでも心を軽くしてくれるかもしれませんよ。
(A.K)
酒井 リカ/監修 法研

 日本人の2人に1人はかかるといわれる『がん』。告知も一般的になり治療にあたっては、本人はもちろん家族の協力も得ることが普通となっています。治療方法も様々で、がんに対する薬物療法は、大きく変化しています。しかし、副作用も多様で複雑になり、ときには重症化することもあるそうです。日常のケアをはじめとしたちょっとした工夫によって、副作用の予防や軽症化ができるように現場で働く専門医、看護師らが具体的な対処法を、わかりやすくイラストを交えて紹介しています。
(Y.K)