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おすすめの本
 

No.686 令和2年10月

『もっと知りたい鳥獣戯画』『食べることと出すこと』
土屋隆/監修・著 東京美術

 皆さんは「鳥獣戯画」という名前を一度は聞いたことがおありでしょう。
 日本最古の漫画ともいわれ、全4巻のうちウサギやサル、カエル等を擬人化して描かれている甲の巻が特に有名です。
 作者は不明でありながらも、後の世の多くの作品に影響を与え続けるこの作品には、一体どんな魅力があるのでしょうか?
 あらためて鳥獣戯画を知るための入門書としてぴったりな一冊です。    
(Y・E)

頭木弘樹/著 医学書院

 
 20歳で潰瘍性大腸炎を患い、以来生活が一変した著者が、食事と排便の不自由さをユーモラスに綴った闘病記です。
 大腸を休めるために一か月以上の絶食が続いた時の話。点滴で栄養を補っていましたが、胃は食べたい、喉は飲み込みたい、顎はかみたい、舌は味を感じたいとそれぞれ訴えてくるという苦しい体験をされました。
 また、退院してからは、漏らしてしまう心配からひきこもるようになってしまわれたそうです。
  病気になって自身が困難を感じただけでなく、他人が抱えている困難にも気づくようになったと書かれているのが心に響きます。      (N.K)
 

『新しい生活』『たのしい知識』
曽野綾子/著 ポプラ社

 著者自身、人生の節目ごとに新しい生活を試みては決意通りにはいかなかったと語ります。
 半生を惰性で生きてきたと言いつつも、その特性が大きな罪を犯すことにつながらなくて良かったという大らかさは、生きていく上でぜひ身に着けておきたいものです。
 「ある時期からは余生と思え」、「どんなことでも“目的”を持つと生きがいになる」…など、173個に及ぶ見出しに沿って、短めの、時には数行で終わるエッセイが連なっています。
 90年の人生を生きてきた、力のある言葉に触れてみませんか?          (A.K) 
高橋源一郎/著 朝日新聞社

 「知識が必要だ。誰でもそう思う。けれど、ほんとうに、心の内面から溢れるように、そう思わなければ、どんな知識も、ただ紙に印刷された文字の重なりにすぎない―。」
 新しく知識を得ることの楽しさ、そして奥深さを、憲法と天皇、韓国と歴史などの身近でややこしい事柄をテーマに、考えていきます。知識を得ることで、意味がないものに意味が見つかり、見えなかったものが見えてくるかもしれません。
 いろいろな人たちの“ことば”に耳を傾け、たのしい知識と新しい発見を……。 
(Y.N)

『同姓同名』『「お家にある材料」でおもしろ科学の実験図鑑』
下村 敦史/著 幻冬舎

 自分と同姓同名の人に会ったことはありますか?本作の登場人物の名は全員が「大山正紀」。
 女児惨殺事件が起こり、16歳の少年が逮捕されます。冷酷非道な犯人の実名公表の声が世間で高まる中、週刊誌が犯人の名を「大山正紀」と暴露。この実名報道により、普通に暮らしていた同姓同名の大山正紀たちの人生は一変します。学校でいじめられたり、就職もままならないなど彼らは不遇な年月を過ごし、7年後に出所した犯人を捜すため「"大山正紀"同姓同名被害者の会」を結成するのでした。
 複雑なストーリー展開に、少年法に係わる実名報道やネット上での誹謗中傷の問題も織り込まれ、最後まで気の抜けない小説です。
(Y.O)
セルゲイ・ウルバン/著 黒木章人/絵
 原書房
 世界で人気の実験動画サイトが書籍になりました。本書はその中のベスト40が取り上げられています。
 お家にある材料で実験ができること、親子で楽しめるというところがポイントとなっています。 子どもにいろいろなものを調べさせたり、遊ばせたりして楽しい思い出を作ってほしいという著者の願いが込められています。
 例えば、氷と絵の具を用意して「氷に絵を描いてみよう」や、卵を用意して「卵の上を歩いてみよう」などの実験が紹介されています。
 新型コロナウイルスの影響でステイホームの時間が多くなった今、どうやって過ごしたらいいのか?と思われている方にもおすすめの1冊。 ぜひご家庭で実験をお楽しみください!        (A・S)