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おすすめの本
 

No.684 令和2年9月

『純喫茶パオーン』『寂聴先生、コロナ時代の「私たちの生き方」教えてください!』
椰月 美智子/著 角川春樹事務所

 純喫茶パオーンは、創業50年。ナポリタンとミルクセーキが売りの昔ながらの喫茶店です。主人公・来人(らいと)は、祖父母が経営するこの店の手伝いをしています。
 来人が成長していく中で起きる事件を中心とした3つの物語が、食欲とほっこり感を誘います。でたらめな方言を話すおじいちゃん、こわがりなお父さんなど、来人を取り巻く個性的で愉快な人々も物語を色鮮やかにしています。
 純喫茶パオーンで繰り広げられるほのぼのとした物語、可愛らしい装丁とともにお楽しみください。
                  (A.K)

瀬戸内寂聴・瀬尾まなほ/著  光文社


 コロナ時代を生きる私たち。戸惑い迷う毎日に、宗教家でもある著者が教えてくれる13の心がまえ。 
 日々の生活の中で大切な人と豊かな生活を過ごすために、私たちの生き方は、今後、ますます丁寧になってくるでしょう。信頼することや笑うこと、人間らしく生きることを、誰もが考え始めたから・・・。
 いつのいつの日か人類の英知を集め、コロナに打ち勝つため。飾らないストレートな言葉の数々に、前を向いて歩く希望が湧いてきます。
 
                 (Y.M) 
『青年の思索のために』『備えいらずの防災レシピ』
下村湖人/著 ごま書房新社

 社会教育家で『次郎物語』の著者、下村湖人が昭和30年に発表し絶版になっていた随筆の再刊です。
 中国の逸話や戦争体験者の話、自身の経験などから、これからを生きていく若者に向けて、厳しくそして温かい言葉をたくさん綴っています。
 「人間生命の本質である創造力を仕事の上で自発的積極的に発揮しなければ真の社会人と言えない。」という言葉が私は心に残りました。若者に限らずすべての人にとって人生の指針となる文章が詰まった一冊です。
               (N.K)

                
飯田 和子/著  東京法令出版

 非常事態時の「食事」、皆さんは準備できていますか?今年も大きな台風が九州を襲い大変だった方も多いのではないでしょうか。
 この本では“フェーズフリー”という、「日常時」も「非常時」も変わることなく活用できる考え方や取り組みを、毎日の食事という観点から紹介されています。停電してもポリ袋とカセットコンロがあれば大丈夫!パスタ、シチュー、ミルクぜんざいなど、美味しい“フェーズフリーなレシピ”が、たっぷり35品紹介されています。普段の食事に取り入れるのも良いですね。            (A.K)
『「大人のひきこもり」見えない息子と暮らした母親たち』『ありがとう!僕の役者人生を語ろう』
臼井 美伸/著  育鵬社

 80代の親が50代の子どもの生活を支える「8050問題」は社会問題のひとつとして深刻化しています。その背景には、子どもの引きこもりが長期化していることが上げられます。
 本書では、我が子が引きこもりになった8人の母親への取材をもとに、「大人の引きこもり」の現実が浮き彫りにされていきます。
 「このままではだめだ」と分かっていても引きこもりの深みにはまっていく子どもと、自分を責め続ける母親。親子だけで問題を解決するには限界があり、第三者のサポートの必要性と、引きこもりに対する社会の在り方を問いかける一冊です。   

                                (Y.O)
草刈 正雄/著 世界文化社 

 著者の近年の作品といえば朝の連続テレビ小説の「なつぞら」や大河ドラマの「真田丸」が思い浮かぶ方が多いかもしれませんね。
 資生堂のコマーシャルがきっかけで大ブレイクした著者ですが、けっして順風満帆な芸能生活ではなく、仕事がなくなっていく、どん底な日々もあったりました。しかし、何があってもこの仕事は辞めないという決心や、たくさんの人との出会いにより運命が切り開かれていきます。
 意外なことや、知られざるエピソードも盛りだくさんの書き下ろしエッセイ本です。役者人生50年を迎えた著者の活躍から、まだまだ目が離せません。

                 (A.S)