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おすすめの本
 

No.679 令和2年6月

『結婚させる家』『新型コロナウイルス』
 桂 望実/著 光文社
      
 男性との会話で大切なのは『さしすせそ』。『さ』はさすがですねぇ。『し』は知りませんでした。『す』は凄いですねぇ。『せ』はセンスいいですねぇ。『そ』はそうなんですか。
 40歳以上に限定した結婚相談所で、会員にこうしたアドバイスをするのが相談員、恭子の仕事です。世話好きな性格もあり誰よりも親身に対応し、真剣交際に進む会員が他のスタッフよりダントツに多いことが自慢でした。ところが、後追い調査をすると破局したカップルもダントツに多いことがわかり、ショックを受けます。会員たちを幸せにしていると思っていたのは勘違いだったのでしょうか。強引すぎたのでしょうか。中高年の婚活物語です。
(N.K)
水谷 哲也/著 東京化学同人

 2019年12月、中国武漢市で患者が確認されて以来、世界的な拡大を見せた新型コロナウイルス感染症。このために多くの尊い命が奪われました。また、オリンピックの延期や倒産企業の続出など、未だに世界に暗い影を落としています。
 この本では、「正しく怖がる」ことを基本とし、まずはコロナウイルスとは何かという解説から、ワクチンや治療薬の開発、同じ脅威を繰り返さないための提言へと続きます。
 動物のコロナウイルスやSARSコロナウイルスなど、様々なコロナウイルスの研究を長年続けてきた著者が正しい知識を説きます。
                (A.K)

                 
『東大の先生!超わかりやすく
 ビジネスに効くアートを教えてください!』
『地方でクリエイティブな仕事をする』
三浦 俊彦/著 御 和貴/聞き手 かんき出版 

 「アートの役割は今ある概念を壊す工夫」という言葉から始まる本書。教養としてのアート、刺激剤としてのアート等々、たくさんの楽しい挿絵も交え、教える人と教わる人の対話形式でアートの効能について語られます。アートとしての価値の高さは、いかに現実社会の価値観から離れているかがポイントとのこと。
 アタマに刺激を与え、常識にくさびを打ちこむ「アート思想」はこれからの時代に役立つでしょう。
 本書を通して非日常のアートの世界をじっくり味わってみませんか。
(K.A)
笠原 徹/著 玄光社

 歴史的建造物が立ち並ぶ佐賀市柳町で、築100年の古民家をリノベーションした写真館「ハレノヒ」を、2015年にオープンさせた著者。今ではレンタル衣装やコマーシャル撮影なども手掛けて、TV番組に取り上げられるほど会社は成長しました。しかし、初めから順風満帆に進んできた訳ではなく、都会での挫折や、自分の仕事を貫こうとチャレンジしたことの失敗など、様々な経験を重ねてきています。そんな苦心を基に、仕事に悩んでいる方へのアドバイスをまとめられました。
 「クリエイティブ」な仕事とは「誰かの感情を動かす仕掛けを作る」こと。大事なのは自分が主体となって働くこと。その環境として「地方」にはメリットがあることにも気付かされます。
                 (K.S)
『家庭科の基本』『生かさず、殺さず』
流田 直/監修 学研教育みらい

 包丁の部位の名称や卵の保管と保存の方法、Tシャツの簡単なたたみ方などご存知でしょうか?きちんと答えられる方、どうだったかな?と思う方などさまざまだと思います。実は、これらの「衣・食・住」の基本的な知識や技術は小学校の家庭科で学びます。
 本書は、生活の基本である衣・食・住を家庭科の教師のためだけでなく、子どもから大人まで幅広くアイディアやアドバイスを伝えたいという思いから作られました。
 自分のための学習になり、人にも教えられポイントがたくさん紹介されている1冊となっています。
(A.S)

久坂部 羊/著 朝日新聞出版

 三杉は、がんや糖尿病などいろいろな病気を抱えた認知症患者を診る「にんにん病棟」の主治医として、看護師らとともに日夜奮闘していました。ある日、元同僚で医師を辞めて作家になった坂崎から、認知症をテーマにした小説を書くために協力してほしいと頼まれます。しかし、その背後にはある思惑が見え隠れし三杉を不安に陥れるのでした。
 認知症患者とその家族、医療に携わる医師や看護師の苦悩や葛藤が現役の医師である著者の鋭い視点で描かれた小説です。
 現代社会の深刻な問題である認知症に大きな一石を投じています。
                 (Y.O)