『水を縫う』 | | 『さよなら願いごと』 |
寺地 はるな/著 集英社 結婚を控えた姉は、「かわいい」ものが苦手でヒラヒラして煌びやかな既製のウエディングドレスに難色を示していました。すると、弟が祖母と一緒にドレスを作ると言い出します。弟は幼い頃から祖母に手芸を習い、高校生となった今では刺繍をしている時が一番楽しい時間でした。 性別や社会的立場に応じて、そうあるべきという価値観が蔓延する日々の暮らしの中で、彼らは生きづらさを感じていました。もがきながらもそれぞれが自分らしくある事を認めて、前向きに生きようとする家族の姿が生き生きと描かれた小説です。 唐津市出身の著者の最新作です。
(Y.O) | 大崎 梢/著 光文社
同じ町に住む小学生の琴美、中学生の祥子、高校生の沙也香の3人をつないだのは町で起こった殺人事件。 当時10歳だった女の子は、首を絞められて川で遺体が発見され、その容疑者としていったんは男が捕まります。しかし、解決したかのように見えた事件でしたが、真犯人が浮かび上がり、彼女たちに危険が迫ります。 花をモチーフとした章立てで3人それぞれのエピソードから意外なつながりが見えてきて、思わず鳥肌が立つミステリー小説です。
(A・S) |
『コロナの時代の僕ら』 | 『あなたに会えて困った』 |
パオロ・ジョルダーノ/著 早川書房
2020年、春。私たちは、今までに経験したことのない禍の中にいます。それは、新型コロナウイルス感染症。 このウイルスは、今までの考え方も暮らし方も、そして人との関わり方をも、すっかり変えてしまいました。 私たちはずっと、毎日祈り、怯え、新しいアクションを諦めるしかないのでしょうか。 これからのコロナの時代を生きるため、人が人らしく生きていくことを教えてくれるイタリア発のエッセイ集です。
(Y.N) | 藤崎 翔/著 双葉社
前科2犯のヨシトが偶然空き巣に入った家は、初恋の女性の家でした。その後、彼女と再会を果たしますが、既に夫がいることを知り落胆します。 しかし彼女から会いたいと頻繁に連絡が入り、二人の距離が近づいていったある日、夫を殺してほしいとお願いをされます。すぐに冗談と言われますが、心配するヨシト。 ところが彼女はこの時、ヨシトに対しある人物から受けた依頼を密かに進めていたのでした。彼女の目的とは、そしてヨシトを待つ運命とは。
(Y.E) |
『お金の減らし方』 | 『シニアの高血圧 60歳から、75歳からの”見直し”高血圧対策』 |
森 博嗣/著 SBクリエイティブ
たいていの人は、お金があれば何でも買えるからいくらでもお金が欲しいと思いがちです。ところが、それは順番が逆だと著者は言います。お金は自分の満足を手に入れる手段なので、増やすことでなく減らす時にこそ価値を生み出すというのです。また、ネットで持ち物や食べ物を自慢するためにお金を使っている人に対し、「それが本当にしたいことですか?」と苦言を呈します。常識や人の目にとらわれず、本当に自分がしたいことを見出して初めて正しいお金の減らし方ができるということでしょう。 貧乏生活から印税20億円の収入を経験した著者のアドバイスに耳を傾けてみませんか。
(N.K)
| 土橋 卓也/監修 NHK出版
高血圧(140/90mmHg以上)は、日本人の三大死因のうちの二つである脳卒中や心臓病の主な原因となっています。しかし、高血圧自体に自覚症状はなく、高血圧患者のうち、きちんと治療を受けているのは2割程度とも言われています。 2019年4月、日本高血圧学会のガイドラインが新しくなり、より厳しく血圧を下げるよう目標値が決められました。この本では、それに対応して日常生活における工夫などを紹介しています。読みやすく大きめの字で、分かりやすく解説されています。高血圧対策は、年齢が進むごとに見直しが必要です。いつまでも元気でいるための、転ばぬ先の杖にどうぞ。
(A.K) |