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おすすめの本
 

No.676 令和2年5月

『食べても食べても太らない映える!おいしい!こんにゃく食堂』『蕎麦湯が来ない』
柳澤 英子/著 小学館
        
  ダイエット食材としても人気のこんにゃく。こんにゃく料理といえば「煮物」「田楽」などがありますが、あまりレパートリーが多くない食材でもありますよね。しかし、それではもったいない!こんにゃくは、家計にも優しいうえに栄養たっぷりで、抜群のポテンシャルを持った食材なのです。この本では、板・糸・粒こんにゃくなど、様々な形に合ったレシピを60以上紹介!ボリュームたっぷりのハンバーグにも大変身しちゃいます。“煮物だけではもったいない”無限の可能性を秘めたこんにゃくのフルコースはいかがですか?
                 (A.K)
せきしろ 又吉直樹/著 マガジンハウス

 五七五の形をとらず自由な韻律で詠み、季語も必要としない自由律俳句。本書は2人の個性的な著者が詠んだ404句と散文を収録しています。「棄てられなかったから無くなって良かった(又吉)」「誰もいないのに三角くじが舞っている(せきしろ)」五七五ではないけれど、世界の切り取り方の鋭さはやはり俳句です。日常の中にある驚き、喜び、哀しみ、嫉み。そして哀愁。それらのひとつひとつにフォーカスをあてた言葉を追っていく内に、「あぁ、あるある。」と思い出す感情があり、通り過ぎていく風景に隠されている小さな感動を発見します。 
(Y.M)
『旅のつばくろ』『暗鬼夜行』
沢木 耕太郎/著 新潮社 

 今まで世界中を旅してきた著者が、初めて1人で東北旅行をした16歳の頃のように、自由気ままに日本を巡り歩いた、初の国内旅エッセイ集です。
 JR東日本の車内誌「トランヴェール」から選んだ41編が単行本になりました。つばくろ(つばめ)のように軽やかに歩いて回った著者ならではのエピソードが書かれています。
 思わず、その土地に行ってみたくなるような描写や、日本っていいなと思わせる場面の数々はエッセイの達人ならではの魅力です。この本であなたも空想旅行してみてはいかがですか。 

(A.S)
月村 了衛/著 毎日新聞出版

 国語教師の汐野悠紀夫が勤める中学校は、読書感想文の指導に力を入れており、毎年夏休みの課題としていました。汐野が選んだ生徒の作品が市の代表を経て、県の選考へ進んだ矢先、その作品が昔の入賞作品の盗作だという告発文がSNS上に送られてきます。学内は騒然となり、汐野は真相究明に奔走します。しかし、盗作疑惑にとどまらず、以前から浮上していた学校の統廃合問題も絡み、保護者や地元の政治家までも巻き込んで事態は混迷していくのでした。
 教師、生徒、保護者それぞれの内に秘めた感情や思惑が鬼気迫る小説です。

 (Y.O)
『被災したあなたを助けるお金とくらしの話』『なんのために学ぶのか』
岡本 正/著 弘文堂

 地震、津波、台風など、私たちは災害と隣り合わせで生活していると言っても良いくらいに、日本は自然災害の多い国です。
 さて、本当に被災してしまったらどうなるのでしょう。住宅や町が破壊された姿を思い浮かべるのは簡単ですが、住まいや収入、医療など当たり前にあったものが突然失われることは、あまり想像したくないうえに、どうすれば良いか分からないのではないでしょうか。
 この本を書いた弁護士でもある著者は、「伝えたいことは『希望』」であると述べています。災害後に必ず起きるさまざまな困り事を解決するきっかけの知識が被災直後から時系列に分かりやすく書いてあります。一歩を踏み出す力を出すために、知識を蓄えておきませんか。

(A.K)
池上 彰/著 SBクリエイティブ

 
豊富な知識を持つ著者ですが、意外にも学校の勉強は好きではありませんでした。NHKの記者として地震について猛勉強をした時に、対数の重要性を知りました。高校時代は「何の役に立つのだろう」といやいや勉強していた対数ですが、こんなに役立つことがわかっていたらもっと興味深く勉強できたのに、と思ったそうです。
 それから学ぶことがやみつきになり、知らないことに出会うと好奇心が刺激され、どんどん多くのことを学びたくなっていったそうです。
 子どもや学生そしてすべての方に学ぶことの楽しさと大切さについて、著者自身の体験談として語られています。

(N.K)