令和2年7月号



川端誠/作・絵 角川書店

  今日(きょう)はごんべえさんの家(いえ)で、近所(きんじょ)の若者(わかもの)があつまって酒盛(さかも)りです。たのしいあつまりで笑い声(わらいごえ)がたえません。この声をききつけて山からおりてきたものがおりました。夜(よる)もおそくなりあつまりもお開(ひら)きとなりみんなはちょうちんを手に家へかえっていきました。   
 ごんべえさんがねるしたくをしていると、おもての戸(と)をドンドンとたたく音(おと)がして「ごんべえ」とよぶのです。おもての戸をあけたのですが、だれもすがたをあらわしません。
ごんべえさんが布団(ふとん)にはいると、ドンドン、「ごんべえ」「ごんすけ」「ごんごん」…と。ごんべえさんは、たぬきのしわざだときがつきました。そこで…。
 らくごえほんのあたらしいお話です。






ローラ・エイミー・シュリッツ/さく 中野怜奈/やく ブライアン・フロッカ/え 福音館書店

 王さまたちは、コーラひめがりっぱな女王(じょおう)になるためにしつけをはじめました。朝からやることばかり、あそぶひまはありません。お世話(せわ)がかりは1日3回、コーラひめをおふろにいれます。お城(しろ)の図書室(としょしつ)で国(くに)のおさめかたを学(まな)び、なわとびを500回、ちっともすきになれません。コーラひめはみんなによろこんでほしかったので一生(いっしょう)けんめいがんばりましたが、心(こころ)のそこではおこっていました。ある日、コーラひめは「犬(いぬ)がほしい」といいました。犬がいたらたのしいからです。犬をかってもらえないコーラひめは、妖精(ようせい)に手紙(てがみ)を書(か)きました。つぎの朝、大きなはこがありました。コーラひめがふたをそっとあけると、みどりのうろこにおおわれたいきものがいたのです。 


        低学年から

>>>本のよやくはここからできます



ヒュー・ロフティング/著 金原瑞人/共訳 藤嶋 桂子/共訳 竹書房

 むかし、ドリトル先生というお医者(いしゃ)さんがいました。動物(どうぶつ)が大好(だいす)きでいろんなペットがいました。ハリネズミの上にすわってしまった患者(かんじゃ)は二度(にど)とこなくなりました。動物はどんどんふえ、やがて患者はいなくなりました。えさ代(だい)もかかり、先生はびんぼうになりました。ある日、「動物のお医者(いしゃ)さん」になってほしいと言(い)われた先生は、オウムから動物の言葉(ことば)を勉強(べんきょう)します。やがて世界中(せかいじゅう)の動物の間(あいだ)で有名(ゆうめい)になった先生の家(いえ)は、みてもらいたい動物であふれていました。動物がどこが悪(わる)いか教(おし)えてくれるので治療(ちりょう)はかんたんだったのです。
 ある冬(ふゆ)、「アフリカにいるサルの間でおそろしい病気(びょうき)がはやっている」と伝言(でんごん)がとどきます。先生にアフリカにきて治(なお)してほしいといい…。





おっちょこ魔女先生(まじょせんせい)~保健室は魔法がいっぱい!~

廣嶋玲子/作 ひらいたかこ/絵 KADOKAWA

 花丸小学校(はなまるしょうがっこう)の保健室(ほけんしつ)の先生は、その名(な)を乙千代子(おつちよこ)、子供達(こどもたち)はすぐに先生のことが好(す)きになりました。話しやすい先生は少しドジなところもあります。忘れ物(わすれもの)をしたり、お茶(ちゃ)をこぼしたり、子供達はおっちょこちょいの先生おっちょこ先生と呼(よ)びました。でもおっちょこ先生にはとても大きな秘密(ひみつ)があったのです。
 ある日、いさなは保健室に行きました。元気(げんき)が良(よ)く、よく怪我(けが)もするいさなは保健室の常連(じょうれん)です。部屋(へや)には先生の姿(すがた)はなく、かわりに小さなハムスターがいました。ハムスターは人間(にんげん)の声(こえ)でぴーぴー叫(さけ)んでいました。この声、言葉遣(ことばづか)い、慌(あわ)てぶり、いさなは「おっちょこ先生?」と声をかけました。すると…。