令和2年5月号


「やさいのおにたいじ」~御伽草子(おとぎぞうし)「酒呑童子(しゅてんどうじ)」より~

つるたようこ/さく 福音館書店

  きょうのみやこでは、やさいたちはみんなへいわにくらしていました。しかし、ひがしのやまからおそろしいこんにゃくいものおにがおりてきて、むすめたちをさらっていたのです。おやたちはしんぱいでなりません。あるひ、ひのなひめもとうとうおににつれさられてしまいました。ちちおやのしょうごいんかぶらはかなしみ、けらいたちに「ちえとゆうきのあるもんをあつめてまいれ」とめいじました。やってきたのは、たけのこ、まつたけ、かもなす、みずな、きんときにんじん、ほりかわごぼうのろくにんでした。「かならずとりもどしてまいります」とやくそくして、おにのすむやまをめざしてしゅっぱつしました。そこは…。





マーガレット・ホルト/ぶん ウォルター・ロレイン/え 小宮由/やく 大日本図書

 デイビッドは、あたらしい町(まち)にひっこしてきました。デイビッドは友(とも)だちがほしいとおもいました。おかあさんからおつかいをたのまれたデイビッドは、スーパーマーケットへいきました。おにくを三つ、パンとバターもかいました。レジでお金(かね)をはらうと、かったものをかみぶくろに入(い)れてくれました。ところがだいがぬれていて、かみぶくろのそこがぬれてしまったことにデイビッドは気(き)がつきません。そのままいえにむかいました。みちみち、デイビッドは口(くち)ぶえをふきはじめました。そのあいだに、ふくろのぬれたぶぶんがすこしずつやぶれてきて、とうとうおにくのつつみが一つ、ドサッとおちてしまいました。でも、デイビッドは、口(くち)ぶえにむちゅうで…。


        低学年から

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「キダマッチ先生(せんせい)! 4」~先生町(まち)へいく~

今井恭子/文 岡本順/絵 BL出版

 カエルのキダマッチ先生(せんせい)の病院(びょういん)に「るす中(ちゅう)は、くれぐれもケガや病気(びょうき)をしないように。」とはり紙(がみ)が出(で)ています。先生はアグラ山(やま)の病院をお休(やす)みして、おくさんのいる町へ行(い)ったのです。長(なが)いことバスにゆられて町へたどりついた先生は、大都会(だいとかい)ははじめてです。やっとの思(おも)いでおくさんのアパートをさがしあてましたが、とつぜんあらわれた先生におくさんはびっくりです。つかれた先生は、ゆかにぺたーっとすわりこみました。するとおくさんはペタリと手(て)をたたきました。「ここで病院を開(ひら)きましょう」と、おくさんは具合(ぐあい)の悪(わる)い友(とも)だちをつぎつぎにつれてきたのです。たくさんの友だちができたおくさんは、先生が名医(めいい)だと宣伝(せんでん)していました。
 さいしょの患者(かんじゃ)はお高(たか)く
とまったネコのおばさんで…。





「ハートウッドホテル 4」~ねずみのモナと永遠のわが家~

ケイリー・ジョージ/作 久保陽子/訳 高橋 和枝/絵 童心社

 モナはひとりぼっちのねずみの女の子(おんなのこ)です。ある嵐(あらし)の夜(よる)、森(もり)をさまよったモナは動物(どうぶつ)たちのハートウッドホテルにたどりつき、メイドとして働(はたら)くことになりました。モナはホテルにおそいかかる出来事(できごと)に作戦(さくせん)を立(た)て追(お)いはらい、みんなから信頼(しんらい)をよせられる存在(そんざい)になりました。親友(しんゆう)もできたモナには家族(かぞく)だけがいませんでした。ある日、モナをたずねてストロベリーというネズミのお客さまがやってきます。優秀(ゆうしゅう)なモナのうわさを聞いてやってきたというストロベリーはモナと話して「まちがいないわ…。」というのです。
 さてストロベリーは誰(だれ)なのでしょう。
そしてモナの両親(りょうしん)の秘密(ひみつ)はわかるのでしょうか。ネズミのモナたちのハートウッドホテル最後(さいご)のお話です。