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おすすめの本
 

No.660 平成31年9月

『ブルシャーク』『かわいい見聞録』
雪富 千晶紀/著  光文社 

 市役所職員の矢代は、1週間後に開催されるトライアスロン大会の責任者を任されていました。あとは開催を待つだけとなったとき、「湖の水質に異常がみられる」と訴えてきた同期が、検体採取に行ったまま行方がわからなくなってしまいます。彼を探すため湖に向かった矢代は、大学准教授の渋川という女性に出会い、「この湖にはサメがいる」という彼女の想定外の発言に言葉を失います。 
 さらに湖で行方不明者が続出。矢代の底知れぬ不安や、このまま大会を決行してよいのかという葛藤が伝わり、ドキドキハラハラを思う存分味わえる1冊となっています。
(Y.U)

益田 ミリ/著  集英社

 最近は、大人もよく使う「かわいい」という言葉。「かわいい」という基準は人それぞれで、いろんな場面でよく耳にします。 
 この本では、著者が日常生活を送る中で目にし、ずっと「かわいい」と感じてきたことを紹介しています。その「かわいい」の対象は、下校中の子ども達の様子など、思わず納得する「かわいい」から、、思いつきもしないシジミ貝の「かわいい」まで、いろいろな「かわいい」が紹介されています。
 あなたも「かわいい」に癒されてみませんか?

(A.U)

『いつの間に?!ココまで変わった学校の教科書』

『教養として学んでおきたい落語』
コンデックス情報研究所/編著  成美堂出版

 現在、30代後半以上の世代の人は「イイクニつくろう鎌倉幕府」と覚え、鎌倉幕府の成立を1192年だと勉強してきたはずです。しかし、現在の教科書では1185年となっているそう。また、体積を表す単位「リットル」を以前は筆記体で書いていたのに対し、現在は「L」と表記するとのこと。いつの間にそんなに変わってしまったのでしょう。さらに、いろいろな変化がある中で80年間変わらず使用されている教科書体という文字についての記述もあり、興味深く読み進めることができます。 
 時代とともに変化している教科書の内容や学校生活についての認識が変わる一冊です。
(R.K)
堀井 憲一郎/著  株式会社マイナビ出版

 「落語は娯楽であり、消費するものだ。」と豪語する作者。伝統的な古典芸能だと思われがちですが、いつの時代にあっても「いま」を語るのが落語。普段着で近所の銭湯に行くような気持で気軽に楽しんでほしいと語ります。 
 本書では気軽に楽しむための入り口として江戸時代から続く落語の歴史から、古くからある笑い噺や新作落語など落語の種類について紹介しています。 そして、落語を語る“落語家”とはどういう職業なのか。落語を聞く場所である“寄席”はどのような場所なのか等、落語を取り巻く世界を楽しく紹介します。
(Y.M)
『20CONTACTS』『羽田圭介、クルマを買う』
原田 マハ/著  幻冬舎

 筆者はある日、過去の自分から挑戦状を受け取ります。その内容は、今年開催の「第25回国際博物館会議京都大会」を記念して行われる展覧会で、作品が展示されるアーティスト達を訪ね、インタビューする事を要求するものでした。必ず手土産を持参、質問は二つまで、短時間で済ませる事等、厳しい条件を課されながらも筆者は着々とインタビューをこなしていきます。 
 挑戦状が意図するものが何かとても気になるところですが、今は亡き、巨星とも呼ばれるアーティスト達と筆者の掛け合いは、現在このアーティストが生きていたら本当にこう言うのではないだろうかというくらい鮮やかに色付けされているようです。アーティスト達の作品を思い浮かべながら読むとより一層楽しめます。
(A.K)
羽田 圭介/著  集英社

 高校生で作家デビューを果たした著者。作家として成功を収め、今や人気作家のひとりとなり、人生の大きな買い物である自宅マンションも購入しました。でも、都心で生活をしているため、車がなくても不自由を感じず、車のない生活を続けていました。しかし、ある心境の変化から自家用車を購入しようと思い立ちます。
 思い立った時から行動あるのみ。もともと車好きだったこともあり、気になる車のディーラーに出向いては、試乗をし、自分に問いかけ続けます。本当に自分が欲しい車はこれなのか・・・と。時には自分と向き合いながらもストイックに究極の一台を探し続けた著者の車選びの日々を綴ったドキュメントエッセイです。
           
(A.U)