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おすすめの本
 

No.658 平成31年8月

『「大家さんと僕」と僕』『もうすぐいなくなります ~絶滅の生物学~』
矢部 太郎ほか/著  新潮社  

 昨年発売されると大評判となりベストセラー入り。また、手塚治虫文化賞短編賞も受賞し、名実共に認められた作品となった『大家さんと僕』。その漫画はどうやって生まれ、世に出てきたのでしょうか?そして作品発表後に起きた予想外の出来事とは?
 著者のロングインタビューや、ちばてつやさんたちの寄稿。そして『大家さんと僕』の番外編まで。作品だけではなく、著者自身の魅力にもせまったまさに大家さんと著者のファンのための一冊です。
(A.U)
※この資料はコミックのためweb上での予約を受け付けていません。資料に関するお問い合わせは図書館の窓口へお願いします。

池田 清彦/著  新潮社

 生命誕生から、38億年。その間に出現した生物の99パーセント以上が、すでに絶滅したって、本当でしょうか?
 現在、地球上の生物たちは進化と繁栄を繰り返し生き延びています。また、絶滅危惧種と言われ保護されていたり、環境や人為的な原因で淘汰されてしまったりする生物もあります。
 この本は、絶滅から見た生物史。支えあいつながりあう“生物多様性”の意味を考えてみませんか?

(Y.N)

『お願いおむらいす』

『戦国の教科書』
中澤 日菜子/著  小学館

 太一はコンビニでアルバイトをしながら、ギタリストとしてメジャーデビューを夢みていました。しかし、籍を入れていない5歳上の綾香が妊娠し、生活の安定を求められます。彼は夢をあきらめきれないまま、ロック系雑誌の出版やイベントを手掛ける制作会社の正社員となりますが、配属先は清掃管理部で、グルメフェスの会場内の掃除をする仕事でした。予想外の展開に戸惑いながらも、自分が何をすべきか大切なことに気づく太一の姿がとても清々しい物語です。
 グルメフェスの会場を舞台に、そこに係わる人々を描いた表題作を含む連作短編5編が収められています。
(Y.O)
天野純希・今村翔吾・木下昌輝・澤田瞳子・武川佑・矢野隆/著 末國善己/解説・ブックガイド  講談社

 みなさん、日本史は好きですか?歴史の中でも戦国時代は、いかがでしょう?
 いろいろな人物が出てきて、どう覚えたら良いか分からない!なんてことはありませんか?
 この本では、6人の作家がそれぞれ一人の戦国武将に焦点をあて、短編のドラマを描いています。
短編の後には、戦国時代を知るうえで重要な用語や考え方を解説しています。1限目から、6限目まで通して読めば戦国時代の知識を余すところなく得ることができ、戦国通になれること間違いなし。ちなみに、好きな武将の箇所だけを読んでも楽しめます。
(A.K)
『旅ドロップ』『店長がバカすぎて』
江國 香織/著  小学館

 旅好きの著者が“旅”をテーマに綴ったエッセイ集です。同級生の友人と初めて行ったパリ旅行は、憧れとは程遠く悲惨だったと著者は振り返っています。若かった二人は英語すら上手く話せず、カフェで席に案内してもらえなかったり、六軒のホテルに断られたりと散々で、地下鉄に乗るのも労力が要ったと言います。しかし、そのとき放たれた友人の言葉を、今でも海外で地下鉄に乗る度に思い出すそうです。
 苦い思い出もあれば、最高の思い出が出来るのも旅。著者と一緒にいろんな場所へ旅をしているような気分を“味わえる”まさにタイトル通りドロップのような一冊です。
(Y.U)
早見 和真/著  角川春樹事務所

 本好きの京子は書店で働く契約社員。
 書店の朝はとにかく忙しく、開店前に搬入された本の棚だしを終えなければなりません。しかし、店長は朝礼で毎日、長々と無駄な話を続けます。雑誌の棚だしでは、違うジャンルの棚に並べたり、平気で職場の人の名前や作家の名前を間違えたり、空気が読めなかったり…。本当に店長がバカすぎる!だから、こんな店、マジで辞めてやる!と思いながらも、なかなか辞めるタイミングを見いだせず、日々忙しく働く毎日です。
 京子と店長のやりとりに、イラっとしたり笑ったり。どんなアクシデントがあっても、ひたむきに前に進もうとする彼女を応援したくなります。
 (R.K)