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おすすめの本
 

No.652 令和元年5月

『Dear GIRLS』『作家の人たち』
朝日新聞「Dear Girls」取材班/著  朝日新聞出版

 『自分らしく、私らしく』というフレーズをよく耳にするようになりました。でも、心の片隅で「女らしく」「男らしく」という言葉が足かせとなり、「私には無理」と無意識に自分の行動にブレーキをかけてしまっていませんか?
 この本では各界で活躍を続ける人たちが、「女だから」「男だから」ではなく、私たちが自分らしく生きるための言葉を投げかけてくれています。女だからしてはダメとか、男だからこれはダメと決めつける時代に自分からサヨナラをしてみませんか?
 (A.U)

倉知 淳/著  幻冬舎

 著者が言うには「全部ただの悪ふざけ」の短編集です。 
 筆歴こそ長いもののヒット作に恵まれず出版社に作品を押し売りしたりする作家たち、出版社主宰の新人賞を受賞し、印税生活を夢見る作家、そしてライトノベルの世界でヒットを連発する編集者など、すべての作品に本に関わりのある人が登場します。
 それぞれの短編は、ミステリーあり、ホラーあり、そして笑いありとバラエティに富んでいます。
 作家の事情や出版社の内部までもが描かれており、興味深く読み進めることができる一冊です。
 (R.K)

『おっぱいマンション改修争議』

『ジグソーパズル48』
原田 ひ香/著  新潮社

 
今は亡き天才建築家が設計した、通称「おっぱいマンション」。かつては、憧れの住居として注目を集めていましたが、現在は終の棲家として人気を保ち続けています。ところが、そのマンションに重大な問題が判明します。
 突如勃発したマンション改修争議に、天才建築家の娘、学生運動に青春を捧げた元教師、天才建築家の右腕だった男の妻、秘密を抱えた元女優たちを巻き込み、それぞれの思惑が錯綜する中、物語はどこへ運ばれるのでしょうか?
 他人事とは思えない危機が、どう決着するのか、最後まで目が離せません。

 (A.K)
乾 くるみ/著  双葉社

 放課後、生徒会室に集まった7人の女子高生は、トランプを使い、お互いの持っているカードの数字を当てるというゲームを始めます。ただの暇つぶしになるかと思いきや、突如、巨大な箱が7人の前に現れるという魔訶不思議な現象が起き、なぜか生死を賭けた頭脳ゲームとなるのです。箱の中で1対1のゲームが始まり、お互い心理的な揺さぶりをかけ勝利を得る者がいる一方、1人また1人と敗者は命を奪われていきます。これは現実なのか夢なのか…。 
 不思議な出来事や日常生活で起こった事件の謎に女子高生たちが挑み、解決に導いていく7話の短編集です。
 (Y.U)
『笑う回文教室』『あなたも明日は裁判員!?』
せとちとせ/著  創元社

 「新聞紙」や「竹藪焼けた」など、上から読んでも下から読んでも同じ音になり、かつ意味のある言葉を回文(かいぶん)といいます。
 本書は、読んでみて、読み返してみておもしろい回文を多数掲載しています。そして、こんな回文どうやって作ったんだろう、と不思議に思う方のために回文のつくり方も解説しています。
 そのプロセスには思わず「へえ」と声をあげてしまうほど。回文を使ったゲームやパズルなども加わり、回文の楽しさにどっぷり浸れる盛りだくさんな内容となっています。            
 (Y.U)


      
飯 考行、裁判員ラウンジ/編著  日本評論社

 市民の司法参加制度のひとつとして、2009年に始まった裁判員制度は実施から10年になります。選ばれた市民が裁判員となり、重い刑事事件の裁判で裁判官と共に被告人の刑罰を決めるという重責を担うものです。これまで1万件以上の裁判員裁判が行われ、補充裁判員を含めると8万人以上の国民が審理に参加しました。しかし、現実には裁判員制度への国民の意識は薄れつつあります。
 制度施行10年を機会に、制度に直接かかわってきた裁判員経験者や弁護士、裁判官の生の声を集め、裁判員制度を再度見つめなおしています。 
 (Y.O)