令和元年12月号



ロジャー・デュボアザン/さく 石津ちひろ/やく 好学社

  シロクマのスノーウィは、ほっきょくのこおりとおなじくらいまっしろです。なつになるとカモメのキティがやってきて、スノーウィに、しぜんゆたかなくにのことをはなしました。  「みどりのもりにはウッディっていうヒグマがすんでいるのよ」スノーウィは「そこへいってみたいなあ」といいました。そこはおどろくほどとおいのです。およぎがとくいなスノーウィは、うみにとびこむと、およぎはじめました。キティがみちあんないをして、なんにちもたびをつづけ、ついにたどりつきました。はじめてみる、のはらのうつくしさ、いいきぶんでくさのうえにねころがりました。けれどもスノーウィはしんぱいになってきたのです。それは…。





こがしわかおり/作 文研出版

 どこからきたのか、おんなのこがひとり、みちばたにたっています。おんなのこには、おうちがありません。あるものは、ふるびたつぎはぎだらけの、すこしおおきめのずきんだけ。
おんなのこのまえを、たくさんのひとがとおりすぎ、ひがくれれば、おうちにかえります。  
おかのうえやまちのなかにおうちがあり、みんなおうちにすんでいます。
 あるとき、おんなのこが「おうちがほしいな」とつぶやきました。すると、ふたりのおばあさんがあらわれ「おうちがほしけりゃ、つくればいい。」といいました。ふたりは、はりにいとをとおし、おんなのこのずきんに、チクチクッとなにかをぬいつけます。それはちいさなドアでした。
ふたりが「まほうがうごきだすよ。」というと、パタン!ドアがひらいて…。

        低学年から

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梨木香歩/著 小沢さかえ/画 福音館書店 

 ヤービは二本足(にほんあし)で歩(ある)く、ふわふわの毛(け)に包(つつ)まれたハリネズミのような生き物(いきもの)で、三日月湖(みかづきこ)マッドガイド・ウォーターの岸辺(きしべ)に暮(く)らしています。ある日、かわいた枯れ葉(かれは)のいいにおいのなかで、ヤービは昼寝(ひるね)をしていました。そこは、家のある沼杉(ぬますぎ)の林(はやし)から離(はな)れていない黄金のテントの木の下(きのした)です。今(いま)ごろは、冬(ふゆ)ごもりの準備(じゅんび)でヤービ一族(いちぞく)は大(おお)いそがしの時期(じき)です。ヤービもブナの実(み)を集(あつ)めてくるようにいわれていましたが、夢(ゆめ)のようにいいきもちで、いつの間(ま)にかねむりこんでしまったのです。「おや、ヤービじゃないか」ヤービがびっくりして飛び起(とびお)きると…。
 幻(まぼろし)のきのこを探(さが)したり、秋の空気(くうき)を知ったり、たくさんの自然(しぜん)の中でのヤービたちの毎日です。 



シルヴィア・ビショップ/作 三辺律子/訳 平澤朋子/絵 フレーベル館

 信田家(しのだけ)の子どもたち、ユイ、タクミ、モエには重大(じゅうだい)な秘密(ひみつ)があります。それは三人のママが、じつはキツネだということです。ママの親族(しんぞく)のキツネたちが、やっかいごとをもちこむので、いつも一家(いっか)はトラブルにまきこまれます。
 ある日ユイは夢(ゆめ)で、森の中(もりのなか)にある一軒(いっけん)のかわいいとんがり屋根(やね)の家(いえ)を見ます。ユイが見た家は、週末(しゅうまつ)にオープンするケーキ屋(や)さんのお菓子(かし)の家にそっくりでした。それからユイは同じ夢を見たり、タクミの夢の中にユイがいたり、ふしぎなことばかりおこります。そして夢の森の中の家で、ユイたちをまちうけるものとは…。
 キツネ一族(いちぞく)からのふしぎな力(ちから)をもつ信田家(しのだけ)3きょうだいのお話です。