令和元年9月号



小森香折/文 長谷川義史/絵 BL出版

 モグとアオメは、かわうそのきょうだいです。おなかがすいたモグは、アオメがとったフナにとびつきました。二(に)ひきはフナをとりあい、勝(か)ったアオメは「食(た)べたかったら、じぶんでとれよ」とフナを食べだしました。モグは「いっぱいウナギをつかまえて食べてやる」と川(かわ)をくだっていきました。けれどもさがしてもウナギは見(み)つかりません。人間(にんげん)の話し声(はなしごえ)をきいたモグは、人里(ひとさと)のちかくにきていたのです。
 モグは人間に化(ば)ければウナギが食べられるとおもいました。アオメから「人間の町(まち)には近(ちか)づくな」といわれていましたが、モグは気(き)にしません。岸(きし)にあがり花を頭(あたま)にのせ呪文(じゅもん)をとなえて、くるりとまわると
 人間(にんげん)の娘(むすめ)になっていました。




原京子/作 高橋和枝/絵 ポプラ社

 まゆは、しょうがっこう1ねんせい。おじいちゃんたちのいえにおとまりにきました。
 おじいちゃんのいえは、もりがそばにあってすごくたのしみで、まゆはもりをたんけんすることにしました。はっぱがサクサク、木(き)のうえには、りすがすんでいるかもしれません。
ずんずんあるいていくと木(き)のあいだに、はこがおいてありました。そのはこには「もりのともだちより」とかいてあり、ゆうびんポストのようでした。まゆはポケットにあったレシートに、もりのともだちへてがみをかいてポストにいれました。つぎの日(ひ)、まゆがもりのポストへいってみると、なかからなにかがかおをだしていて「まゆちゃんへ」とかいてあったのです。おてがみはなんどもよめるからうれしいとおもえます。
 おてがみをかいたのは…。

        低学年から

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ジェームズ・サーバー/作 ルイス・スロボドキン/絵 なかがわちひろ/訳 徳間書店

 むかし、海(うみ)べの王国(おうこく)に、レノアひめというおひめさまがすんでいました。
 あるひ、レノアひめはびょうきになってしまいました。お医者(いしゃ)がしんさつをしました。王(おう)さまはレノアひめに、ほしいものをたずねると「お月(つき)さまがほしい」とこたえました。お城(しろ)には、かしこい家来(けらい)がおおぜいいます。王さまはお月さまを手にいれようと、大臣(だいじん)に「月さえとってくれば、ひめのびょうきはなおる」といいました。王さまの命令(めいれい)ですが、さすがの大臣も「月はもってこられない」とこたえました。王さまは、たいそうはらをたて、かわりに魔法使(まほうつか)いをよぶことにしました。
 王さまが「レノアひめのために、月をとってきてくれ」というと、魔法使いの顔(かお)から、さっと血の気(ちのけ)がひいて…。
月はどうなるのでしょう。





市川朔久子/作 岩崎書店

 朝(あさ)、草子(そうこ)は図書館(としょかん)のいつもの席(せき)に腰(こし)を下(お)ろすと、ノートに日(ひ)づけと時間(じかん)を記(しる)す。書くと安心(あんしん)し、
「わたしはここにいていい」と毎日じぶんに言い聞(いいき)かせる。ここだけが草子の居場所(いばしょ)だった。  
 ある日(ひ)、図書館で草子は読(よ)みたい本(ほん)を探(さが)していた。その時、図書館の深津(ふかつ)さんという女の人(おんなのひと)が現(あらわ)れた。司書(ししょ)という仕事(しごと)をしている深津さんは、他館(たかん)から本を取(と)りよせてくれた。そして小さな事件(じけん)が起(お)きた日、助けてくれたのも深津さんだった。やっとお礼(れい)を言(い)えた草子に、深津さんは<しずかな子は、魔女(まじょ)に向(む)いてる>と紙(かみ)に書いて「これ、お守(まも)りです。」とわたしてくれた。草子はなんども読(よ)みかえし、その文章(ぶんしょう)が出(で)てくる本を探(さが)してほしいと言って…。
 本の森の中で
出会(であ)えたお話。