尾崎玄一郎/作 尾崎由紀奈/作 福音館書店
あるいえの ひんやりくらいおしいれのなかに、おしいれじいさんがこっそりすんでいます。
おしいれじいさんは、つみあげられたふとんのうえでめをさまします。
すると、にんげんがふとんをとりにきたので、かくれることにしました。
このいえのにんげんは、おしいれにじいさんがすんでいるなんて、きづいていません。
よるには、なんにもしらずに、ふとんをだしているのです。ふすまがしまると、おしいれじいさんはおでこのライトをつけました。「さあて、あさまでなにをしてあそぶかなあ」
したのだんには、にんげんのにもつがどっさり。
おしいれのおくにいっぽんのながいぼうがみえました。ぼうをそうっとひっぱりだして…。
たかどのほうこ/作 佐竹美保/絵 あかね書房
ちゃめひめさまのおしろに、ペピーノおうじとけらいのペーターがあそびにきました。こまづかいのミミーやしろひげじいやがでむかえます。けれど、ちゃめひめさまがいないのです。いたずらずきのちゃめひめさまは、おしろにかくれていたのです。
ろうかをまがろうとしたそのとき、しろいものが、ふわりっ!ちゃめひめさまが、おばけのふりをしておどかしました。ちゃめひめさまとペピーノおうじは、またいたずらのじゅんびをはじめました。もっとこわいものになっておどかすつもりです。
ところが、ごせんぞさまのおへやのほうからうたごえがきこえて…。
木地雅映子/作 五十嵐大介/絵 偕成社
ある夜(よる)、弟(おとうと)のユウくんがなきだし、きもちわるそうにはきつづけています。おとうさんとおかあさんは、ユウくんをびょういんへつれていくか話(はな)し、でんわ帳(ちょう)の小児科(しょうにか)の番号(ばんごう)にでんわをかけました。小児科は子どものためのおいしゃさんですが、どのびょういんもつながりません。救急車(きゅうきゅうしゃ)をよぼうとした時(とき)、でんわ帳(ちょう)の中(なか)でひとつのばんごうが光(ひか)ったのです。小児科医(しょうにかい)松田(まつだ)ローベルトとあります。おとうさんがローベルト先生(せんせい)にでんわをかけると、すぐにやってきてくれました。小(ちい)さなバイクからとても小さな人が白いうわぎをひるがえして、おりたちました。
「おまたせしましたぁ。ローベルトでございます!」その先生はねこだったのです。
富安陽子/作 山村浩二/絵 理論社
化野原(アダシノハラ)団地(だんち)に人間(にんげん)たちにまじって暮(く)らす妖怪(ようかい)の九十九(つくも)さんちは七人家族(しちにんかぞく)です。化野原(アダシノ)で別々(べつべつ)に暮(く)らしていた七ひきの妖怪たちが家族になったのです。ヌラリヒョンパパは市役所(しやくしょ)につとめています。パパが働(はたら)く地域共生課(ちいききょうせいか)は、市民(しみん)のために真夜中(まよなか)でも開(あ)いています。夜中(よなか)にやってくるのは妖怪(ようかい)で、化野原市(アダシノし)に住(す)んでいる以上(いじょう)、市民に変(か)わりはありません。
ある夜(よる)、「助(たす)けてください!」とむすめさんと青年(せいねん)がとびこんできました。あさっての満月(まんげつ)の夜(よる)、結婚式(けっこんしき)を挙(あ)げないといけないというふたりは、タヌキのカップルだったのです。そこでパパは…。