平成21年10月号



川田 伸一郎/著 (岩波書店)

 あなたは、モグラの絵が描けますか?
身近だけれど、土の中で生活をしているため姿を見せないモグラ。なかなか神秘的な生物です。
大学で生物学の勉強をしていた著者は、染色体の研究からモグラと出会い、謎だらけの地中生物に魅せられてしまいます。世界各地のモグラを探して旅する若きモグラ博士。
この本では、モグラの生態はもちろん、それを研究する生物学者の生態もおもしろく描き出されています。



ピーター・エイブラハムズ/著 (ソフトバンク クリエイティブ)

 名探偵シャーロック・ホームズを愛する少女イングリットは、とびきり元気がよくて好奇心旺盛な13才の中学生です。
主人公が住むアメリカ東海岸北部コネチカット州のエコー・フォールズは景色のいいのどかな町ですが、そこで殺人事件が起こってしまうのです。しかも、イングリットのおじいさんが一人で住む農場で・・・。
大好きなおじいさんの容疑を晴らすために、イングリットは複雑に絡み合った謎解きに挑んでいきます。
主人公といっしょに、ハラハラドキドキ、そして読み終わったとき、ほのぼのとした気持ちになれるシリーズ第3弾の作品です。



益川 敏英/著 (講談社)

 昨年、「小林・益川理論」による物理学への貢献でノーベル物理学賞を受賞した益川さんは、京都産業大学の先生です。
この本では、益川さんがさまざまなことに好奇心を燃やして、フラフラしながら本当に自分が好きなものに出会った青春時代を振り返っています。
学校の勉強からだけでなく、世の中のことに広く関心を持って、フラフラと迷いながら大切なことを見つける「フラフラ哲学」の伝授本です。



笹生 陽子/著 (講談社)

 北村ハルトは、ギャンブル好きでいい加減な父と貧乏な2人暮らし。母は何の前触れもなく家を出て行ってしまった。
2年D組へ進級する頃、ハルトは学校裏サイトの掲示板に「浦沢中学へ最終兵器が登場する」という噂話のカキコミを発見。少しずつ、ハルトの学生生活に異変が起こり始める…。
去年の1年C組を学級崩壊に追い込み担任を精神的ダメージで病院送りにした山辺ユウキ(自称・浦中破壊神)との勝負の行方は?
個性豊かな仲間達に勇気をもらえる一冊。