平成24年11月号



エヴァ・イボットソン/著 偕成社

 幽霊の男の子<おそろしのハンフリー>は自分がちっとも怖くないことを気にしていたが、怖くてりっぱな家族にかこまれて幸せに暮らしていた。そんな折、先祖代々住みなれていたお城が観光開発されることになり、ハンフリーは同じようにすみかを追われた大勢の幽霊たちと共に、新天地ロンドンをめざす。その途中、ひょんなことから知り合いとなった人間の少年リック。リックは幽霊たちと協力して、幽霊一族が幸せに暮らせる“幽霊のためのサンクチュアリ”を造るために奮闘する。奇想天外、ユーモアいっぱいの幽霊ファンタジー。



学研社

 天照大御神(アマテラスオオミカミ)、倭建命(ヤマトタケルノミコト)、大国主命(オオクニヌシノミコト)など、「古事記」が何かはわからないけれど、これらの神々の名前や神話には聞き覚えがある人は多いのではないでしょうか。
1300年前に天武天皇の命令によって、国家事業として編纂された日本最古の歴史書「古事記」。
本書では、その中に書かれた“日本の成り立ち”といくつかの代表的な神話を、まんがを交えてわかりやすく解説しています。



たちばなれんじ/写真 リリー・フランキー/文 パルコ

 レッサーパンダ・コアラ・インドゾウ・ダチョウ・マンドリルなどなどが、カメラ目線で一言。
「ほーら。言わんこっちゃない。」
「あんた、俺のこと、怖くないのか?」
「こらー!!休み時間終わってるぞ!!」
「お嬢様の目は、節穴でございいますか?」
本当に動物たちが言いそうな一言を、作家のリリー・フランキーさんが吹き出しにぴったりと当てはめています。
思わず笑い出してしまいそうな64枚の写真が、心をほぐしてくれます。



廣島玲子/著 講談社

 大草原に暮らす《牙の民》とも呼ばれるイシーバ族は、得体のしれない病により、全滅の危機を迎えていた。そこで、村の呪術師ムンダワは、死者の魂をとりつかせ呪いを解く禁術を使ってしまう。器として選ばれたのは、主人公ディンカの最愛の妹ゼゼナだった。そして、儀式の後、ゼゼナは何者かに魂を奪われてしまう。
「精霊があたし達の絆を試すというのなら、地の果てだって行ってやる。」
十五才の少女ディンカは、精霊にまつわる言い伝えを手掛かりに、さまざまな生き物がひそむ危険な大草原へ仲間と共に旅立つ。