平成28年11月号



林 真理子/著 ポプラ社

 「平田さんってジミよね」そう言われていた彩希が、文化祭のクラス劇で押し付けられて主役を演じた。舞台は大成功をおさめ、彩希は観客から大きな拍手をもらった。その時の大興奮を忘れることができず「女優になりたい!」という気持ちがどんどん強くなり、児童劇団に入った。ところが、そのことがクラスの女の子たちにバレて「一回主役をしただけで、カンチガイしてる」と言われてしまった。劇団は毎回学ぶことがあってとても楽しく充実している。でも「やっぱりふつうの子がなんかやっちゃダメだったんだ…」と落ち込む彩希は、このまま夢をあきらめてしまうのか!?



今野 真二/著 河出書房新社

 「ああ、イライラする」のイライラって何でしょう?イラは草木のトゲのことです。だから「イライラ」のもとの意味はトゲがささったような、皮膚にチクチクするような刺激を感じるさまです。
普段使っている日本語を別の角度から見て、そのおもしろさを教えてくれます。



河合 敦/著 朝日学生新聞社

 どんなことがらや物にも歴史は存在します。この本では、城、すし、犬、化粧、色、トイレなど、みなさんの身近なものを取り上げ、その歴史を教えてくれます。縄文時代のトイレは?『古事記』の記述からは、川に板を渡してトイレにしていたことがわかります。教科書のように、時代ごとに人物や事件を暗記する歴史とは違って、興味深く読めます。



バート・マカモア/作 ほるぷ出版

 11歳のジェームズはトラブルの絶えない問題児。母親を亡くし行き場を失った時、チェラブのスカウトを受けた。チェラブとは、イギリス情報局の裏の組織で10歳から17歳までの子どもスパイ組織。厳しい試験をパスし、訓練を受け、与えられたミッションに仲間と共に挑んでいく。
著者はもともと私立探偵をしていましたが、「読みたい本がない」というおいっ子のためにこの本を書いてベストセラー作家になりました。



ローレン・ブルック/著 あすなろ書房

 ケガをした馬の保養施設「ハートランド」で馬の治療をする母親を手伝い、自分も同じ道を目指すエイミー。母親が馬の救助の途中に事故で亡くなり、哀しみにくれていましたが、「ハートランド」の経営を維持するためには泣いてはいられません。周りの人々に支えられながら、母親の意志をついで馬の治療に専念する少女の物語。