平成27年12月号



まはら 三桃/著 小学館

 テレビのマラソン中継を見て「ランナーはなにを考えながら走ってるんだろう」などと思ったことはありませんか?毎年1月に広島で行われる都道府県対抗男子駅伝が舞台の小説です。福岡代表として中学生から社会人までの選手7名が1区から7区までタスキをかけて走ります。その走る姿を描きながら、一人一人が走りながら何を背負い、何を思い、何を目指して走っているのかが描かれています。まるで一緒に走っているような感覚になり、前に前に引っ張られ、一気に読んでしまいます。



石原 真/著 岩波書店

 東日本大震災を前にして、「自分が何かできることがあるのだろうか?」そんな思いからAKB48の被地訪問活動が始まりました。そして忙しいスケジュールのなか、今もその活動は続いています。「アイドルだからできること」をやり通す姿が描かれています。



小島 慶子/著 岩波書店

 タレントの小島慶子さんは、15歳から長い期間、摂食障害に苦しんでいました。自分が大嫌いで、自分に対する不満でいっぱいでした。家族との関係もうまくいかず、口げんかばかり。
最近になってようやく「苦しいなら苦しいと言っていい」ということを教えられ、楽に生きられるようになったそうです。
そんな体験から10代の悩める若者に向けての応援の本です。



青柳 碧人/作 実業之日本社

 時は今から200余年前の江戸時代。
名もない小藩の下級藩士の娘彩菊は、たぐいまれなる算法の才能を持ち、当時まだ日本にはなかったはずの分数、確立や円周率を独自に見出していました。
その数学技術を見込まれ、化け物奉行からの命を受け、次々とあらわれる妖怪たちを退治し人々を救います。
数学が得意な人は、是非謎解きに挑戦してください。



トンケ・ドラフト/作 岩波書店

16歳の主人公ティウリは、騎士になるための試練として断食の最中、ドアをたたき、助けを乞う声を聞きました。重要な手紙をある人に届けるように頼まれたのです。朝までに戻れるだろうと引き受けましたが、思わぬ展開でティウリは、内密でたったひとり山を越え、遠く離れた隣国の王のもとへ手紙を届けることになりました。
敵に追われ絶体絶命の危機が次々と襲い、ハラハラドキドキで、いっしょに旅をしているような気分になります。