平成30年5月号



きむらゆういち/文 高畠純/絵 福音館書店

 おなかのすいた コブタが りんごを みつけました。きのぼりのできないコブタは りんごが おちてくるのを じっとまちました。ずっとまっていると、ついにりんごが きから ポトーンとおちました。コブタが「やったあ!」と よろこんだのも つかのま。りんごはコブタのはなにぶつかって、いわのあなのなかに コロコロと はいっていったのです。コブタは りんごをとろうと いわのあなに てをのばしました。ツンッ!とさわったら りんごをもうすこし あなの おくに おしてしまって…。
 そこにサルがやってきました。さてあなのなかのりんごはとれるのでしょうか?
えほん



筒井悦子/再話 太田大輔/絵 こぐま社

 とんとむかしのこと。あるところに、たんものを売り歩く
(うりあるく)商人(しょうにん)がいました。
 ある日(ひ)、商人がたんもののふろしきづつみをせなかにしょって山(やま)をこえていたら、日(ひ)がくれてしまいました。
こまった商人は、高(たか)い木(き)の上(うえ)にのぼり、夜(よ)をあかすことにしました。ふろしきづつみをえだにしばりつけると、おちないように からだを木(き)にしっかりとしばりつけました。商人は「なにかでてこないか」と、びくびくしていました。
 夜中(よなか)になり、おおかみがぞろぞろとあつまってきました。商人を目(め)がけて、木(き)にのぼろうとしますができません。すると、ギャロンギャロンとおそろしい声(こえ)が…。
  低学年から



柏葉幸子/作 そがまい/絵 小学館

 あんみんガッパの店(みせ)とよばれる、ふしぎなパジャマやさんが、えびす町(ちょう)ぎんざにあります。この店(みせ)のパジャマは、とてもよくねむれるというのです。入り口(いりぐち)はカッパが大(おお)きなあくびをしている形(かたち)ですが、だれも店(みせ)がどこにあるのかわかりません。モヨちゃんは、みどり色(いろ)のカッパが大(おお)きな口(くち)をあけた店をみつけてしまいます。モヨちゃんのうしろで声(こえ)がすると、黒(くろ)いマントの魔女(まじょ)が黒ねことほうきにのってういていました。魔女はどうしてもパジャマがほしいと、店の中(なか)へいくので、モヨちゃんも入(はい)っていきました。
 とつぜんカッパの口がパクンととじて、まっくらになりました。ちょうちんあんこうの明(あ)かりがともり、ベシャン、ベシャンと音(おと)がしました。やってきたのは…。
  中学年から



富安陽子/作 篠崎三朗/絵 新日本出版社

 父さん、母さんと季子(ときこ)は、立派(りっぱ)なお屋敷(やしき)に引(ひ)っ越(こ)すことになりました。庭(にわ)つき、灰色(はいいろ)の屋根(やね)、フランス窓(まど)の一級品(いっきゅうひん)という感(かん)じの家(いえ)を、持(も)ち主(ぬし)が格安(かくやす)で他人(たにん)に貸(か)してくれるのです。季子はあやしい話だと思(おも)いました。有頂天(うちょうてん)の両親(りょうしん)にむかって「イヤな予感(よかん)がする」なんて言(い)いだせません。玄関(げんかん)の木(き)の扉(とびら)がゆっくり開(ひら)いた時(とき)、季子はほっとしました。新(あたら)しい家(いえ)の中(なか)では、おなじみの家具(かぐ)たちが待(ま)っていてくれました。部屋(へや)の整理(せいり)をして夕ご飯(ゆうごはん)へいくと、父さんたちがじっとテーブルの向(む)こう側(がわ)を見(み)つめています。見たことのないおばさんが、すましかえってつっ立(た)っていました。よく見るとおばさんの体(からだ)は、すきとおっていたのです。もしかして幽霊(ゆうれい)?
  高学年から