平成30年9月号



鍋田敬子/さく 福音館書店

 たあちゃんのうちは うどんやです。おひるどきには たくさんのおきゃくさんがはいって、はんじょうしています。たあちゃんがかえると、おみせではみんなが「おかえり」とむかえてくれます。たあちゃんは おみせがいそがしいので ざしきでまちます。おかあさんがたあちゃんに おおきなあぶらあげののった おいしそうなきつねうどんをおいていきました。たあちゃんが うどんをたべようとすると、とつぜんおとこのこがあらわれました。おとこのこのなまえは こんた。たあちゃんに「うどんをたべてみたいんや」とおねがいしたのです。そこで たあちゃんは…。
  えほん



たかどのほうこ/作 佐竹美保/絵 あかね書房

 おちゃめで いたずらな おひめさま、ちゃめひめさまのおしろに、ペピーノおうじが、けらいのペーターと あそびにきました。
ちゃめひめさまたちが、おにごっこをしていると、けらいのしろひげじいやが「たからさがしにいかないか」といいました。むかし、ちかくのもりに、りゅうがすんでいたという、ほらあながあるのです。たからばこが、きっとあるはずです。みんなはちずをたしかめました。ちゃめひめさまとおうじは、はしりだしました。さいしょのめじるしはモモのきです。
 ちゃめひめさまはたからばこをみつけられるかな。
  低学年から



富安陽子/作 蒲原元/画 福音館書店

リカコが住(す)む丹波篠山(たんばささやま)の町(まち)には「まけきらいのお稲荷(いなり)さん」という伝説(でんせつ)があります。ある日(ひ)、教室(きょうしつ)で、リカコは虹(にじ)のように輝(かがや)く蝶(ちょう)を見(み)つけます。「オオムラサキ?」とつぶやくと、前(まえ)の席(せき)の子(こ)も顔(かお)をあげました。それは転校(てんこう)してきた菜の子(なのこ)ちゃんです。菜の子ちゃんは、あの蝶(ちょう)は招待状(しょうたいじょう)だと言(い)うのです。
次(つぎ)の日(ひ)、ふたりが学校(がっこう)の正門(せいもん)へむかうと、るり色(いろ)の蝶があらわれました。蝶が頭(あたま)の上(うえ)をこえ、学校(がっこう)の中(なか)へとびこんだとき、ふしぎなことが起(お)こります。閉(と)じていた正門が、音(おと)もなく開(ひら)いたのです。おどろくリカコの手(て)をひっぱり、菜の子ちゃんは門(もん)の中(なか)にとびこんでいきました。蝶が空(そら)に舞(ま)い上(あ)がり、ふたりは青々(あおあお)とした原(はら)っぱにいました。
 そこには、おおぜいのキツネたちがいて…。
  中学年から



草山万兎/作 松本大洋/画 福音館書店

 昭和(しょうわ)十年(じゅうねん)、竜二(りゅうじ)とさゆりは、尋常小学校(じんじょうしょうがっこう)を卒業(そつぎょう)した。竜二の将来(しょうらい)の夢(ゆめ)は、動物学者(どうぶつがくしゃ)になることだった。両親(りょうしん)のいない竜二は、進学(しんがく)をあきらめ働(はたら)くことになり、さゆりも工場(こうじょう)で働くのだった。
 ふたりが空(そら)を見(み)上(あ)げていると、高(たか)い枝(えだ)に一羽(いちわ)のカラスがとまり緑(みどり)の封筒(ふうとう)を差(さ)し出(だ)した。それは風(かぜ)おじさんの家(いえ)への招待状(しょうたいじょう)だった。動物(どうぶつ)と話(はなし)ができる風おじさんは世界中(せかいじゅう)を旅(たび)している博物学者(はくぶつがくしゃ)で、竜二のあこがれだ。風おじさんは、たくさんの動物と暮(く)らしていた。ふたりは、おじさんの家(いえ)においてもらうことになり、動物語(どうぶつご)を覚(おぼ)えた。
 ある日(ひ)、アンデス山脈(さんみゃく)にいるズグロキンメフクロウから手紙(てがみ)が届(とど)いた。それはドエクル探検隊(たんけんたい)の始(はじ)まりだった。一行(いっこう)は南米(なんべい)ペルーへ向(む)かうことになり…。
  高学年から