平成30年10月号



西平あかね/さく 福音館書店

 こんやは おばけほいくえんのえんそくです。
そらは まっくらやみ。おばけのえんそくは うみぼうずはまへいって、まっくらやみなべをつくってたべます。まっくらやみなべには やみしろっぷを いっぱいあつめるのです。みんなではしのしたに さかさまになってもぐりこみ きのえだにくるりくるりと やみしろっぷを まきつけました。はしのしたは まっくらけだから やみしろっぷが いっぱいです。みんなは おおいそぎではまへやってきて おなべいわにやみしろっぷをいれました。そこで ひのたまおばけが ぷうーっといきをふきかければ…。
  えほん



安房直子/作 ひがしちから/絵 偕成社

 あるばんのことです。だんまりうさぎが、はたけをたがやしていますと、土(つち)からもぐらのおじさんがかおをだしました。おじさんは、
「パイプくわえて、ほしをみて はなうたうたって、ひとばんすぎる」とうたいました。
だんまりうさぎは、空(そら)をみあげました。まっくろの夜空(よぞら)に、ほしが、金(きん)と銀(ぎん)のボタンみたいにひかっているのです。すぐねむくなってしまうだんまりうさぎは、ねむってしまっても、ほしをみていられるほうほうを、かんがえました。せっせとはたけをたがやし、たねをまきました。たねに土をかぶせると、小さなましかくのはたけができあがりました。しごとがおわるとだんまりうさぎは、ごろんとねころび耳をすましました。すると…。
  低学年から



牡丹 靖佳/著 福音館書店

 ルソンバンはマジシャンです。背(せ)が高(たか)くピンと立(た)ち上(あ)がったハリガネのようなヒゲ。マジックのパートナーは白(しろ)いハト、ムードンです。ムードンにごはんをあげると、アイロンです。屋根裏部屋(やねうらべや)の窓(まど)を開(あ)け、何(なに)かをすくってシャツにのせます。ふわっとした雲(くも)です。それをシャツにのばすとアイロンのフタを開(あ)け、パチンと指(ゆび)を鳴(な)らします。ちいさな星(ほし)の粒(つぶ)が指先(ゆびさき)から飛(と)び出(だ)しました。ルソンバンは劇場(げきじょう)でほんもののカミナリのマジックをしていた人気(にんき)のマジシャンでした。ところがたった一度(いちど)だけのしっぱいで、ルソンバンはわすれさられていきました。
 ある日、ルソンバンはモップのような犬(いぬ)と男の子(おとこのこ)に出会(であ)います。男の子はルソンバンにマジックを見せてほしいと…。
  中学年から



日向理恵子/作 吉田尚令/絵 童心社

 図書館(としょかん)からルウ子と妹(いもうと)のサラが家(いえ)へ帰(かえ)ろうとした時(とき)、黒(くろ)い上着(うわぎ)の男(おとこ)の人(ひと)が花壇(かだん)をのぞきこんでいました。その人は花壇に顔(かお)を近(ちか)づけ、カタツムリをつまみあげると図書館へ入(はい)っていきました。ルウ子たちは、図書館からないしょの世界(せかい)へ行(い)き来(き)する方法(ほうほう)を持(も)っています。その世界の入(い)り口(ぐち)の先(さき)には古本屋(ふるほんや)があり、案内役(あんないやく)のカタツムリが必要(ひつよう)です。男の人は本棚(ほんだな)へむかい足(あし)をふみだすと、すがたが消(き)えてしまいました。
「雨あめ 降(ふ)れふれ〈雨ふる本屋〉!」ひみつの呪文(じゅもん)をとなえると本棚の迷路(めいろ)が出現(しゅつげん)し、ルウ子たちは急(きゅう)な坂道(さかみち)をころがり落(お)ちます。気(き)がつくと緑(みどり)がきらめく照々美(てるてるみ)さんの庭園(ていえん)にいて、雨ふる本屋の舞々子(まいまいこ)さんの妹(いもうと)だったのです。
ふたりは照々美さんといっしょに雨ふる本屋へいくことに…。
  高学年から