深山さくら/文 黒井健/絵 佼成出版社 こすずめは、かあさんすずめと きのうろのなかで ねむっていました。
するとしゃらしゃらしゃら…ききなれない ものおとに めがさめました。
ふわふわ まいおちてくるしろいものがありました。「あれ、なんだろう?」はじめてみる ゆきにおどろいて、かあさんすずめにききました。
かあさんすずめは そっとはねをひろげて、こすずめを くるんでやりました。
ゆきは、ふわふわと ひっきりなしにふってきます。
きのみかなあ、はむしかなあ、ゆきをしらない こすずめはかんがえました。
そのとき、こすずめのほうに そのはむしが いっぴきとんできて…。
えほん
剣持弘子/訳・再話 剣持晶子/絵 こぐま社 むかし、カテリネッラという女の子(おんなのこ)と母(かあ)さんがくらしていました。
ある日(ひ)、女の子はドーナツが食(た)べたくなりました。母さんはフライパンがないので「おにのおやしきにいって、フライパンをかりてきておくれ」といいました。おれいにドーナツをもっていくことにすると、おにはフライパンをかしてくれました。
母さんはおいしいドーナツをつくり、女の子と食べました。母さんはフライパンをきれいにするとドーナツを10こいれ、おににもっていくよう女の子にいいました。ドーナツはとてもいいにおい、とてもがまんできません。女の子はひとつ、またひとつ食べました。ひとつくらい食べてもかわらないと考(かんが)えたのです。
気(き)づくとドーナツはひとつものこっていませんでした。そこで…。
低学年から
岡田 淳/作 田中六大/絵 偕成社ぼくは小学校(しょうがっこう)からかえると、近所(きんじょ)にくらしているおじいちゃんの部屋(へや)へあそびにいく。おじいちゃんとそとをみて、いろんな話(はなし)をする。おじいちゃんは「ゲームをしよ。」という。ゲームのルールは、ふたりがする話(はなし)のなかでぼくが「知(し)らん。」というと、おじいちゃんの勝(か)ち、いわなかったらぼくの勝(か)ち。ゲームの主人公(しゅじんこう)は、ぼくでもあるらしい。
ゲームがすすむと、おじいちゃんは小鬼(こおに)の話をはじめた。小鬼はなんでもいれられる壺(つぼ)をもっていて、どんな大(おお)きなものをいれても、燃(も)えてなくなるという。
アチチ、アチチ…小鬼のふしぎな話はつづく…。
おじいちゃんのとんでもない話、みんな聞(き)いてね。
中学年から
ケイリー・ジョージ/作 久保陽子/訳 高橋和枝/絵 童心社
モナはひとりぼっちのネズミの女の子(おんなのこ)です。毎日(まいにち)森(もり)をさまよい、夜(よる)はからっぽの鳥の巣(とりのす)やしげみの中(なか)でねむります。ある大嵐(おおあらし)の夜(よる)、モナは雨(あま)やどりができるところを探(さが)し、森(もり)の奥深(おくふか)くへとわけいっていきました。嵐の音(あらしのおと)にまぎれ、遠(とお)ぼえがひびいてくると、かぞえきれないほどのオオカミの群(む)れがいました。おどろいたモナは足(あし)をすべらせ川(かわ)に落(お)ち、そのまま流(なが)されていきます。池(いけ)にでて、ようやくモナは水(みず)からはいあがりました。
目の前(めのまえ)に大(おお)きな木(き)があり、幹(みき)になにか彫(ほ)ってあります。モナのカバンとそっくりにハートが彫られています。ハートに手(て)をふれると、秘密(ひみつ)のドアがひらいたのです。そこは見たこともないにぎやかな光景(こうけい)で…。
高学年から