平成29年10月号



シビル・ウェッタシンハ/再話・絵 松岡享子/訳 市川雅子/訳 福音館書店

 むかし、王(おう)さまとおきさきさま、そして三人(さんにん)の王子(おうじ)がいました。
ある日(ひ)、王さまは、ふしぎな夢(ゆめ)をみます。地面(じめん)から世(よ)にも美(うつく)しい銀(ぎん)の木(き)がはえ、枝(えだ)には銀の花(はな)がさき、銀の実(み)がなったのです。王さまは、王子たちに「広(ひろ)い世界(せかい)へ旅(たび)にでて、あの木をもちかえった者(もの)を、つぎの王としよう」といいました。
王子たちはおどろきましたが、王さまの命令(めいれい)ですから旅にでることにしました。なん日(にち)も、なん日も旅をつづけ、三本(さんぼん)のわかれ道(みち)にやってきました。そこで三人は…。
さて王子たちは夢(ゆめ)でみたものをさがしてもちかえることができるのでしょうか。
  えほん



ジェームズ・ドーハティ/作 安藤 子/訳 ロクリン社

 ある日(ひ)マウスさんの一家(いっか)は、森(もり)へピクニックに行(い)きました。心地(ここち)よい木(こ)かげで、サンドイッチやケーキをたべ、父(とう)さんのギターで、たのしく歌(うた)をうたいおどるのです。
休(きゅう)けいのとき、へんな音(おと)がしたので、そーっとのぞいてみると、大(おお)きなライオンがねむっていました。みんなは、そっとその場(ば)をはなれました。
ところが、末(すえ)っ子(こ)のチェダーは、ライオンめがけて どんぐりをなげつけてしまったのです。おこったライオンは、大(おお)きな足(あし)で チェダーをつかまえてしまいました。
一家はチェダーをたすけてほしいとたのみました。するとライオンはゆるしてくれたのです。
  低学年から



ルース・サイムズ/作 神戸万知/訳 ポプラ社

 魔女(まじょ)になりたい女(おんな)の子(こ)ベラ・ドンナは、児童養護施設(じどうようごしせつ)「子どもの家(いえ)」で育(そだ)ちました。ある日(ひ)、リリスさんという女の人(ひと)が、ベラ・ドンナを養子(ようし)にしてくれます。
リリスさんは魔女で、住(す)んでいる人はみんな魔女という十三軒通(じゅうさんけんどお)りに住むことになりました。夢(ゆめ)がかない見習(みなら)い魔女になったベラ・ドンナは、ふつうの学校(がっこう)へもいきながら、魔法(まほう)の勉強(べんきょう)をはじめます。ある日「見習い魔女コンテスト」があることをしったベラ・ドンナは出場(しゅつじょう)することにします。
世界一(せかいいち)すてきなママのリリスさんのため、ベラ・ドンナはコンテストで、魔法をかけることができるのでしょうか。
  中学年から



ひきたよしあき/著 杉浦範茂/絵 朝日学生新聞社

 小学生(しょうがくせい)新聞(しんぶん)のコラムをまとめたものです。小説(しょうせつ)や童話(どうわ)の言葉(ことば)や、有名(ゆうめい)な方(かた)の名言(めいげん)が選(えら)ばれています。そして、その言葉まつわるエピソードや、ひきたさんの思(おも)い・考(かんが)えなどがつづられています。
「ごん、おまいだったのか。」この言葉は、教科書(きょうかしょ)にもある新美南吉(にいみなんきち)の『ごんぎつね』の一節(いっせつ)です。自分(じぶん)のいたずらで兵十(ひょうじゅう)に悲(かな)しい思(おも)いをさせてしまったと考(かんが)えたごんが、つぐないに栗(くり)やマツタケを何度(なんど)も持(も)っていった際(さい)、そうとは知(し)らない兵十が、火縄銃(ひなわじゅう)でごんをうってしまった時(とき)の言葉です。なぜ、この言葉を選(えら)ばれたのか、その意味(いみ)が書(か)かれています。
もしかしたら、あなたの一生(いっしょう)を変(か)える言葉、今(いま)の悩(なや)みを解決(かいけつ)に導(みちび)いてくれる言葉があるかもしれません。その言葉を見つけたら、机の前に貼って毎日(まいにち)眺(なが)めてみませんか。
  高学年から