平成29年12月号



ペク ヒナ/作 長谷川義史/訳 ブロンズ新社

 とんでもない あめが ふったひ。ホホのかあさんに「ホホがねつをだして はやびきした」というでんわがありました。
しごとがある かあさんは だれかに ホホのことをたのもうと、あちこち でんわをかけます。けれども でんわは へんてこな ざつおんだけが きこえてきました。そのときです。じゅわきの むこうから かすかにへんじが きこえました。かあさんは「ホホが びょうきなので ちょっとみてほしい」とたのみました。
かあさんは じぶんのかあさんに たのんだつもりです。でも ほんとうに たのまれたあいては へんてこなかあさんだったのです…。
  えほん



ケイティ・スペック/作 おびかゆうこ/訳 大野八生/画 福音館書店

 かわいいゴキブリのおんなの子(こ)メイベルは、三(みっ)つのおきてをまもってくらしています。
ある日(ひ)キッチンでカップケーキを見(み)つけ「おいしそう!」とおもったメイベルでしたが、くらくなるまでケーキにちかづけません。ネコや人間(にんげん)に見つかったらたいへんです。食(た)べものをさがすためにおきてをまもったり、ネコにおいかけまわされるメイベルは、ゆっくりおうちで食事(しょくじ)をたのしみたいとねがいます。
そんなとき、はたらきアリのバーニスがメイベルのおうちにやってきたのです。バーニスはメイベルのために食べものをはこんでくれるというのです。
  低学年から



森山 京/作 野見山響子/絵 講談社

 リンちゃんは、小学(しょうがく)4年生(ねんせい)の女(おんな)の子(こ)。公園(こうえん)までいそいで走(はし)っていると、前(まえ)を知(し)らないおばあさんが、のろのろ走(はし)っています。リンちゃんが、おばあさんの横(よこ)をすりぬけたその時(とき)です。「負(ま)けてたまるか!」と声(こえ)がして、さけび声もきこえてきました。なんと、おばあさんがたおれていたのです。これがリンちゃんとおばあさんのネネコさんの出会(であ)いです。
ネネコさんの口(くち)ぐせは「負けてたまるか!」で、今(いま)までがむしゃらにがんばってきたのです。リンちゃんは学校(がっこう)で、負(ま)けん気(き)が強(つよ)く、どこかおかしいまじょを主人公(しゅじんこう)にしたげきを考(かんが)え、そのモデルをネネコさんにしました。さっそくネネコさんにげきのことを説明(せつめい)しようと、さがしに出(で)かけます。
ところがネネコさんは…。
  中学年から



柏葉幸子/作 佐竹美保/絵 朝日学生新聞社

 ミアは十一歳(さい)、伝説(でんせつ)の勇者(ゆうしゃ)、竜騎士(りゅうきし)のウスズの部屋子(へやこ)だ。何百年(なんびゃくねん)もの間(あいだ)、呪(のろ)いをかけられていたウスズは、その呪いから一年(いちねん)ほど前(まえ)によみがえったばかりだ。部屋子は、竜騎士の家族(かぞく)や屋敷(やしき)の世話(せわ)をするのが仕事(しごと)。
罪人(ざいにん)が暮(く)らす村(むら)で育(そだ)ったミアは、竜(りゅう)に呼(よ)ばれて王宮(おうきゅう)へ来(き)た。竜(りゅう)は一年(いちねん)に一度(いちど)、十歳(さい)になる子(こ)を外(そと)の世界(せかい)へつれていく。竜が呼ぶ子は特別(とくべつ)な子だった。
ミアは昔(むかし)王宮にいたという「二(に)のおば」に育(そだ)てられた。ミアは谷(たに)の子と呼ばれ、竜と飛(と)ぶ練習(れんしゅう)をし斧(おの)の訓練(くんれん)までしていた。誰(だれ)かを傷(きず)つける武器(ぶき)の訓練などミアはしたくなかった。
ある日、宝物殿(ほうもつでん)のマカドの執事(しつじ)がミアを呼びにきた。人目(ひとめ)につかぬうちに来(き)てほしいと…。
  高学年から