平成30年3月号



林なつこ/作・絵 鈴木出版

 めんどりが ひるねを していると とりごやのなかへ くろいてが のびてきて めんどりを わらのしきものごと ひょいと もちあげ かけだしました。それは ぬすっとぎつねでした。
きつねはうちへかえり りょうりのほんを ひろげます。きつねが「どうやってたべようか」と かんがえていると、めんどりの おなかのしたから ひよこがいちわと たまこがひとつ あらわれました。
ひよこが「ぼくたち たべられちゃうの?」ときくと、めんどりは ひよこに ひそひそひそ。きつねはオーブン(おーぶん)をあたためはじめ ふりむきました。そこにいたのは…。さてさてめんどりはどうなるのでしょうか。
  えほん



はせがわさとみ/作 あかね書房

もりのおくに あなぐまがすんでいます。
あるひ、あなぐまは はたけで おいしいものをそだてて ともだちをよぼうと かんがえました。あなぐまは くさをぬきはじめました。ごきげんで うたいながら、なんのたねを まこうかと かんがえます。なかよしのこぶたが だいすきな じゃがいもをうえようと まちに でかけることにしました。あるいていくと、むこうから こぶたがやってきて かごいっぱいの じゃがいもをくれました。そこであなぐまはつぎは なにをつくろうと かんがえました。
さて、あなぐまは ともだちに なにをつくってあげるのかな?
  低学年から



伊藤充子/作 高谷まちこ/絵 偕成社

べんとうや〈ほっと亭(てい)〉は、あまりお客(きゃく)がこないので、〈ほっとい亭〉とよばれていました。そこへ、フクミミちゃんという小(ちい)さな女(おんな)の子(こ)がやってきて、元気(げんき)よくあいさつしました。ひとりで店(みせ)をきりもりしているのはハルさんです。「わたしは福(ふく)の神(かみ)なの」というフクミミちゃんに、ハルさんは「なにもしなくていいよ」といいますが…。
商店街(しょうてんがい)の福引(ふくびき)であたりをひいたハルさん、そこへ福(ふく)の神(かみ)試験(しけん)に合格(ごうかく)したフクミミちゃんがやってきたのです。フクミミちゃんは、駅前(えきまえ)でチラシをくばりますが、うけとってもらえません。
すると大黒天(だいこくてん)さまの使(つか)い魔(ま)のネズミのスアマがやってきました。スアマはフクミミちゃんのおともで…。
  中学年から



曄田依子/著 岩崎書店

 「祝(いわい)の森(もり)」と呼(よ)ばれる森の麓(ふもと)に、カヤという子(こ)どもが一人(ひとり)で暮(く)らしていました。
カヤが暮らす国(くに)は貿易(ぼうえき)が盛(さか)んになり、武器(ぶき)も輸入(ゆにゅう)され文化(ぶんか)の違(ちが)いからケンカが起(お)き紛争(ふんそう)になりました。戦火(せんか)が広(ひろ)がるとカヤのお父(とう)さんは、街(まち)を守(まも)るため連(つ)れていかれ、お母(かあ)さんは仕事(しごと)に行(い)き戻(もど)ってきません。
一人ぼっちのカヤは、たくさんの本(ほん)から勉強(べんきょう)し、職人(しょくにん)だったお父さんの道具(どうぐ)を使(つか)い、繕(つくろ)い屋(や)になりました。繕い屋とは、ものを直(なお)す仕事(しごと)です。たくさんの家(いえ)や道(みち)さえ紛争で壊(こわ)されていました。
カヤはお父さんがしていたお屋敷(やしき)の仕事(しごと)をしています。
ある日(ひ)、カヤが神社(じんじゃ)でお参(まい)りをして帰(かえ)ろうとしたその時(とき)です。雷(かみなり)のような大(おお)きな音(おと)がして、獣(けもの)の大(おお)きな鳴(な)き声(ごえ)が聞(き)こえました。獅子(しし)のような犬(いぬ)がうずくまっていたのです…。 
  高学年から