平成28年6月号



安江リエ/作 山口マオ/絵  福音館書店

 こうじは、かがみで まえばを みた。ゆびで おしてみると、くらっと うごく。したのはは、ピンクの はぐきに がんばって くっついている。
 はばかり さわる こうじに おとうさんは、「はに いとを むすんで、ドアのライオンの わっかに むすんで ひっぱると はが ぬけるよ」といったんだ。こうじは、こわくなって そとへ とびだした。みちを あるいていくと、ワニがやってきた。ワニは「ライオンに むしばを ぬいて もらった」といったよ。それから ねずみも やってきて…。
 さて、こうじの はは どうなるのかな。
  えほん



石津ちひろ/作 高畠那生/絵 理論社

 あるひのことです。ねこのソラくんは、とっとこ とっとこ おさんぽにでかけました。ひきかえそうかな…と おもっていたときに、どこからか、おいしそうな においが してきました。ソラくんが はなを ひくひく、あたりを きょろきょろ みまわすと、おいしそうな おさかなが おちていたのです。ソラくんが ちかづくと、べつの ねこも かけよってきました。それは、となりの レミくんでした。ソラくんも レミくんも、そろって おなかが ぺっこぺこでした。
 さて にひきは どうするのかな。ソラくんレミくん にひきのねこの たのしいおはなし。
  低学年から



梨木 香歩/作  小沢 さかえ/画 福音館書店

 ある日わたしは、マッドガイド・ウォーターの岸辺(きしべ)で、不思議(ふしぎ)な体験(たいけん)をしました。小(ちい)さな三日月湖(みかづきこ)にボートをうかべ、本(ほん)を読(よ)んでいたわたしは、ふわふわした毛(け)の二足(にそく)歩行(ほこう)をするハリネズミのような生(い)きものに出会(であ)ったのです。目と目があったとき、彼(かれ)はこまったような顔(かお)をしました。わたしは、ミルクキャンディーを、彼の前にそっと置(お)き、ゆっくりとボートをバックさせました。これが、ヤービとの出会いです。
 しばらくして、もういちどヤービのいた岸辺に向(む)かい、あの日のように本を読みました。風(かぜ)がざざっと、池(いけ)の面(おもて)をきらきらさせ、何(なに)かが音(おと)を立てました。目の前に、ヤービが立ち、コオロギの試(ため)し鳴(な)きのような声で「お礼(れい)がしたいんです」と言(い)いました。
  中学年から



角野栄子/作 佐竹美保/画 福音館書店

 魔女(まじょ)の宅急便(たっきゅうびん)のキキを知っていますか?物語(ものがたり)や映画(えいが)の中(なか)で、キキはみんなの主人公(しゅじんこう)です。この本は、魔女の宅急便シリーズの中で、キキのまわりの人びとを描(えが)いたお話です。
 グーチョキパン屋のおソノさんは、どうしてパン屋になり、おソノさんと呼(よ)ばれるようになったのでしょう。コリコ町長(ちょうちょう)の思(おも)い出(で)や、ヨモギさんとサボテンさんのこととは?みんな、ほうきに乗(の)って飛(と)んできた黒(くろ)い洋服(ようふく)を着(き)た女(おんな)の子と黒猫(くろねこ)につながるのです。
 キキを知(し)らなくても、きっとキキに出会(であ)いたくなります。みんなも、まわりの大切(たいせつ)な人たちを思い出してみてね。
  高学年から