平成27年7月号



稲田和子/再話 小西英子/画  福音館書店

 むかしむかし、あるところに、おじいさんと おばあさんが いました。あるひ おばあさんは、かわで おおきな うりを ひろいました。うりは ふたつに われて、なかから ちいさな おんなのこが でてきました。ふたりは うりひめと なまえを きめて とてもかわいがって、おおきくしました。うりひめは、はたおりが じょうずでした。あんまり ひょうばんが よく、おとのさまが、よめに もらいたいと いってきました。
 あるひ、うりひめが ひとりで はたを おっていると、あまんじゃくが やってきました。
  えほん



アーノルド・ローベル/え 小宮 由/やく シンシア・ジェイムソン/再話 大日本図書 

 ある日(ひ)、おじいさんと おばあさんは、土(つち)で小(ちい)さな男(おとこ)の子(こ)の かたちをつくり、かまで やきました。男の子は、かたい 土(ど)ぐうになり、「なにか くわせておくれ。」としゃべり出(だ)しました。おばあさんは、おけいっぱいの ぎゅうにゅうと、白(しろ)パンを もってきましたが、土ぐうは、あっというまに たいらげてしまいました。そして「はらへった!」と、わめき出(だ)したのです。おばあさんは、村じゅうのぎゅうにゅうとパンを 食(た)べさせました。それでも土ぐうは たりません。そして とうとう おばあさんを  ごくり!のみこんでしまったのです。
  低学年から



柏葉幸子/作  中村景児/絵 講談社

 雄太(ゆうた)の父(とう)さんの仕事(しごと)は、パティシエです。父さんのケーキで、イチゴのショートケーキが、一番(いちばん)の人気(にんき)です。雄太は、うでのいいパティシエのことを「ドラゴン・パティシエ」とよぶことを知(し)ります。
 ある日、まっくらな空(そら)の中(なか)から、いなずまがおち、白(しろ)いけむりと大きな音(おと)がすると、雄太と父さんの前に、つばさのある竜(りゅう)がいました。竜は「城(しろ)でバースデー・ケーキをつくってほしい」と近寄(ちかよ)りました。にげようとする雄太たちをかかえて、竜は空へとびたちます。雲(くも)の上(うえ)には、お城があり、竜たちがならび、おたんじょうびの、わが君(きみ)がいたのです。
 さて、父さんは、わが君が気(き)にいるケーキをつくり、ぶじに帰(かえ)ることができるのでしょうか。
  中学年から



ダイアナ・W.ジョーンズ/作  槇 朝子/訳 エンマ・C.クラーク/絵 復刊ドットコム

 ヘザーは、一般(いっぱん)の人が見物(けんぶつ)できるメイン館(かん)という立派(りっぱ)な館(やかた)に住(す)んでいました。夏(なつ)のあいだは、見物客(けんぶつきゃく)があふれ、お父さんもお母さんも、案内(あんない)に大いそがしで、ヘザーはひとりぼっちでした。ひとり静(しず)かにいられる場所(ばしょ)は、変(か)わった形(かたち)の小さな築山(つきやま)です。それは昔(むかし)、魔法(まほう)を使(つか)って処刑(しょけい)された《いたずらロバート》の墓(はか)だと言(い)われていました。ヘザーは築山にすわり、いたずらロバートに「出てきてほしい!」と大声でさけびました。すると、「だれか、呼(よ)んだかい?」ふしぎな匂(にお)いがして、その中から声がしたのです。その声は…。
  高学年から