平成28年8月号



穂高順也/作 山口マオ/絵  文渓堂

 いつもピチピチ おいしい さかなが ならぶ さかなやさんが ありました。しんせつなおみせだと、だいひょうばんでした。よるになると、さかなやは シャッターをおろして みせじまいです。みんなおやすみです。
 そんな よるおそくのことです。さかなやの おみせのなかで なんと、さかなが いっぴき、ひょこひょこ うごきはじめたのです「さぁ しんだふりを やめるじかんが きたようだ」  さかなたち、タコ、イカ、カニと、みんなで あそびだしました。そこへ のらねこまで やってきて…。よるの さかなやさんって おもしろいよ。
  えほん



野田 道子/作 太田 朋/絵 文研出版

 イタチの ネックルは、山(やま)のなかの 大(おお)きなネムの木(き)のしたに すわりました。ピンクの花(はな)の あまい かおりのなかで、ネックルは うたたねを してしまいました。ところが、とつぜん ネックルの すがたが きえてしまったのです。気(き)がついた ネックルは きゅうでんの なかにいました。そこは、ネムの くにで、たくさんの ひとの なきごえが していました。ネムのくにのひとびとは、王(おう)さまが〈へん〉というびょうき に かかったと おおさわぎをしていました。ネックルは、王さまと、ネムのくにを たすけてほしいと たのまれます。
 さて、ネックルはたすけることが できるのでしょうか。
  低学年から



富安陽子/作 たしろちさと/絵 ひさかたチャイルド

 オバケさんは人間(にんげん)です。名前(なまえ)が尾羽(おば)健一郎(けんいちろう)で、オバケさんと呼(よ)ばれています。ある日、オバケさんは、テンテル山(やま)の「スギナ屋敷(やしき)」と呼(よ)ばれる古(ふる)い家(いえ)に、引(ひ)っ越(こ)すことにしました。とんがった緑色(みどりいろ)の屋根(やね)は、オバケさんの緑(みどり)のベレー帽(ぼう)とおそろいの色(いろ)でした。 料理(りょうり)研究家(けんきゅうか)のオバケさんは、料理の道具(どうぐ)など三十個(さんじっこ)の荷物(にもつ)を、へとへとになりながら、家(いえ)の中に運(はこ)びました。夕飯(ゆうはん)の用意(ようい)をするオバケさんが、荷物をとりにいくと、びっくり仰天(ぎょうてん)。運(はこ)んだはずの荷物が消(き)え失(う)せてしまっていたのです。
 オバケさんを待(ま)つ、スギナ屋敷でおこる不思議(ふしぎ)な出来事(できごと)とは?
  中学年から



柏葉 幸子/著 さいとう ゆきこ/絵 講談社

 施設(しせつ)の介護士(かいごし)由子(ゆうこ)さんは、入所(にゅうしょ)予定(よてい)のキワさんという、お年寄(としよ)りのことが心配(しんぱい)でした。あの地震(じしん)の後(あと)、津波(つなみ)からのがれるために、お年寄りたちを体育館(たいいくかん)まで避難(ひなん)させましたが、キワさんだけ連絡(れんらく)がつきません。夜が明け、消防団(しょうぼうだん)がキワさんを連(つ)れてきました。不安(ふあん)な夜をすごしたキワさんは、小さなおばあさんでした。昼(ひる)がすぎ、キワさんは、別人(べつじん)のようにきびきびと、同(おな)じお年寄りの世話(せわ)をはじめました。
 一方(いっぽう)、両親(りょうしん)が亡(な)くなり、伯父(おじ)さんと暮(く)らすことになった萌花(もえか)ちゃん、そして暴力(ぼうりょく)から逃(に)げてきた、ゆりえさんが同(おな)じ駅(えき)にいました。そこへ、あの地震が来(き)たのです。二人は、体育館(たいいくかん)へ避難(ひなん)し、キワさんと出会(であ)います。
 そしてキワさんと萌花ちゃん、ゆりえさんの三人の不思議(ふしぎ)な生活(せいかつ)が始(はじ)まるのです。
  高学年から