平成28年10月号



ロジャー・デュボアザン/さく 安藤 紀子/やく ロクリン社

 むかし、ナイトとよばれる みみずくと、デイというなの プードルがいました。ナイトは、 よるにえものをさがし、ホーホーないて、ひるまは ねむります。デイは、ひるまは あそんだり、たべたりし、くらくなると ねむります。
 あるひのゆうがた ナイトとデイはであい、ともだちになりました。けれども、ひるとよるで なかなか あうことができません。よるになると いえの中(なか)にいるデイに ナイトは そとから おしゃべりしました。
 ある日 デイのかいぬしの むすこのボブが なにかを つくりはじめ…。
  えほん



萩原弓佳/作 洞野志保/絵 PHP研究所

 フンズワ森(もり)には がけがあり、上(うえ)と下(した)に 分(わ)かれていました。下の森には、とてもいじのわるいヒツジが すんでいました。おいしい草(くさ)もひとりじめ。鼻(はな)息(いき)はあらく、ほかの動(どう)物(ぶつ)は、こわくて近(ちか)よることもできません。上の森には、おこりんぼうな ハリネズミがいて、せなかのハリを とがらせるので、ともだちは ひとりもいませんでした。
 ある日ハリネズミは、リスにおこりだしむかっていきました。ころがったハリネズミは がけからとびたし、がけ下(した)のヒツジのせなかの上におちてしまったのです。ハリネズミは、ヒツジの毛(け)にからまって、くっついてしまい、おたがいとることができません。そこでハリネズミは…。
  低学年から



岡田 淳/作 はた こうしろう/絵 偕成社

 ぼくは階段(かいだん)の踊(おど)り場(ば)で、ぎょっとして足(あし)をとめた。つばが広(ひろ)くてとがった黒(くろ)い帽子(ぼうし)、黒っぽい服(ふく)を着(き)たおばさんをみたとたん、魔女(まじょ)だと思(おも)った。おばさんは「学校の時間(じかん)はとまっている」と話(はな)すと、一羽(いちわ)の鳥(とり)が肩(かた)にとまった。クロツグミという鳥は「いそがなくてもだいじょうぶ」としゃべった。おばさんが、踊(おど)り場(ば)の壁(かべ)にむかいゆびをさすと、まぶしい光(ひかり)にかがやいた。光が消(き)えると扉(とびら)があり、小(ちい)さな部屋(へや)があった。おばさんは「話をきいてくれるだけでいい」とぼくに早口(はやくち)でつづけた。ランプの光(ひかり)だけの中(なか)で、おばさんは『踊(おど)り場(ば)の魔女(まじょ)』の話(はなし)をはじめた。いつも遅刻(ちこく)する四年生のケンジって子が出(で)てくる話らしいけれど…。
  中学年から



小俣麦穂/著 ささめやゆき/絵 講談社

 むかし、山深(やまふか)い信濃(しなの)の国(くに)に、山々(やまやま)に囲(かこ)まれた小(ちい)さな里(さと)がありました。山奥(やまおく)には平(たい)らな土地(とち)が少(すく)なく、たくさんの馬(うま)を育(そだ)ててくらしていました。力(ちから)が強(つよ)くて丈夫(じょうぶ)な馬で、武士(ぶし)が高値(たかね)で買(か)っていました。
 夏(なつ)にはお祭(まつ)りがあり、さっ太(た)や、同(おな)じ年(とし)ごろの男(おとこ)の子(こ)は、馬の世話(せわ)ができるようになると、長(おさ)さまから子馬(こうま)を一頭(いっとう)もらうことができるのです。さっ太(た)は、一生懸命(いっしょうけんめい)に馬仕事(うましごと)を手伝(てつだ)ってきました。牧場(まきば)には子馬がいて、どれかが自分(じぶん)の相棒(あいぼう)になるかもしれないと思(おも)いました。そのとき、ぴょこん、と一頭の黒(くろ)い子馬がさっ太の目(め)の前(まえ)に飛(と)びだしました。たてがみもふさふさで、きれいな目をしていました。「あの黒(くろ)っこがほしい」さっ太の頭(あたま)のなかは、黒い子馬のことで いっぱいになりました。
  高学年から