平成27年12月号



あまんきみこ/作 広瀬弦/絵 PHP研究所

 チイばあちゃんは、クレヨンで、がようしに なにを かこうかと、かんがえた。
そのとき、とらねことらたが、とびこんできた。「はら、ぺこぺこ」と さわぐ とらたに チイばあちゃんは あかいクレヨンで さかなのタイのえをかいた。とらたは えに かおを よせて、ぱくん。クレヨンのタイが、きえて、チイばあちゃんは、びっくり。「ごちそうさま」 とらたは あかいしまねこに なって でていった。チイばあちゃんは しんぱいになって とらたを おいかけた。
とらたは もとどおりに なるのかな?
  えほん



森山京/作 ささめやゆき/絵 文渓堂

 ブタのこが がっこうへ いって みると、きょうしつに てんこうせいが きていました。
きのう みちで であった クマの おとこのこでした。クマのこは、おかあさんが びょうきで、おばあさんがすむ この まちへ、ひとりで うつってきたのです。ネズミのこは、おおきな からだの クマのこに、だきあげてもらい おおはしゃぎ。すぐに みんなと ともだちになりました。ある ひるさがり。サルのこたちのまえを、クマのこが、あるいていきました。しげみのなかで クマのこは ひとりで ないていました。
サルのこ、ブタのこ、ウサギのこ、みんなが、クマのこのことを おもいました。  
ともだちっていいね。やさしいきもちになれる あったかいお話です。
  低学年から



茂市久美子/作 吉沢恵子/絵 講談社

 バジルは、七魔(ななま)が山(やま)の東(ひがし)の峰(みね)に住(す)む魔女(まじょ)です。まだ一人前ではありません。魔女たちは、それぞれ得意(とくい)な力(ちから)を持(も)ち、魔法(まほう)のつえをふって、ひとに、自分(じぶん)たちの力をおくることができます。バジルがおくる力は、努力(どりょく)と根気(こんき)の力です。ある日、なぞの多(おお)いパラスの図書館(としょかん)が、あらわれました。バシルは、ある呪文(じゅもん)を見つけます。大魔女(おおまじょ)マジョラムによばれたバジルは、努力の魔女セイボリーのほうきをとりもどす大役(たいやく)を、たのまれます。昔(むかし)、セイボリーはコウモリ男に、ほうきをとりあげられ、星(ほし)にされていたのです。ついに七十年(ななじゅうねん)に一度(いちど)という、ほうき星がかがやきました。バジルはコウモリ男をたおし、ほうきをとりもどせるのでしょうか。魔女バジルの2作目(さくめ)です。
  中学年から



新藤悦子/作 丹地陽子/絵 ポプラ社

 「このねこ、しってる?しりたかったら、らせんかいだんのしたへ」ふぞろいな字と、猫(ねこ)の顔(かお)が描(か)いてあるメモは、本のページのあいだに、かくれるようにはさまっていた。猫の毛(け)は白(しろ)く、目は、右が緑(みどり)で、左が青(あお)。「ワン猫だ!」愛(あい)が会いたくてたまらない、二色(にしょく)の瞳(ひとみ)のあこがれの猫だった。5年生の愛は、トルコの都市(とし)、イスタンブルにある日本人学校の図書室で、メモを見つけた。ワンという名前の町にいる、トルコにしかいないワン猫。らせん階段(かいだん)の下で愛を待(ま)っていたものは…。 父親(ちちおや)の仕事で、イスタンブルへやってきた愛の本当(ほんとう)の理由(りゆう)は、あの疲(つか)れた教室(きょうしつ)を出るためだった。いろいろな出会(であ)いをくりかえし、ワン猫をさがす愛たちの冒険(ぼうけん)が始まった。
  高学年から